平昌五輪オープンも間近に迫っているが、JAGAT的にはpage2018が2月7日に迫っている。今回のテーマはアライアンスNEXTで、それに沿ったカンファレンスを多数用意しているが、通常印刷レベルで考えると、バリアブル印刷がいよいよビジネスの柱になってきたということが第一に挙げられるだろう。
いつもならこの手のセミナー・カンファレンスはバリアブル印刷を実践しているユーザーを数社集めてディスカッションを行うのだが、今回はユーザー(印刷会社)とバリアブルソフトメーカー、それに検査装置メーカーを集めて、バリアブル印刷の神髄に迫りたいと思っている。
印刷会社として登場願うのは共同印刷さんだが、共同印刷は出版のイメージが強いと思われているはずだが、もともとフォーム印刷には長年の経験を持っており、川島工場等、専門工場を持っている。特に最近は、少年コミック誌の発行部数が減っているので、共同さんとしてもバリアブル印刷方面に展開したいだろうと思う。
今回ご登壇願うのは本社工場でバリアブル部隊を率いる貞清課長と実務の責任者である黒川氏で、色々お聞きしたいと思っている。(小石川)本社工場の場合はロールタイプのインクジェットではなく、カット紙タイプのトナー機でバリアブル印刷を行っている。共同印刷の本社工場というと出版で埋め尽くされているかと思いきや?バリアブル印刷を推進していたのだ。
バリアブルソフトのテキスト・アンド・グラフィクス株式会社は九州に本社を構えるソフトメーカーだが、とかくお高いバリアブルソフトをリーズナブルな価格で提供している良心的なソフトメーカーである。宛名印刷のデータプリントだけではなく、本文も含めてのバリアブルDMの実際について、テキスト・アンド・グラフィクス株式会社の製品であるAuthoring StudioⅡのPDF掃き出しがなぜ高速なのか?等を解説いただくと、バリアブルソフトの仕組みがわかるはずである。
また窪田社長には、バリアブル印刷市場にも言及いただき、バリアブル印刷 ソフトの用途解説もお願いしている。
DM などの宛名印刷
レイアウトを固定化し、高速 ・大量 に宛名を印字する事が求められ。宛名だけ可変印刷することから、事前に固定部分を印刷しておき、これに可変の宛名部分の追い刷りするハイブリット形式が主流である。
請求書などのデータプリント
宛名だけではなく、宛先ごとに異る利用明細や金額情報などの複雑な可変情報の印字また数枚を封入して発送することが求められ、封入されるページ構成が任意になることから、固定部分を含むすべてをデジタル印刷で印字する場合が多い。
パーソナライズ 印刷
宛名以外に顧客の 属性、 感性・好みに合わせた商品広告やメッセージなどを可変印字する ことが求められている。顧客の属性や購買履歴などデータベスと連携して可変印字に必要な情報を抽出する データ処理能力が求められる。また男女など属性に合わせてページデザインを切り替え手の込んだ DM となる。
DM以外では、例えば保険の契約内容に合わせて説明図や款などを可変するも健康診断結果グラフ ・測定値描画など、全面的パーソナライズ印刷もある。これらは デジタル印刷でしか実現できない印刷物である。
このパーソナライズ印刷は、ディープラーニングなど、今後のAI 技術の発展を視野に入れられる唯一の成長分野と考えられる 。「今後、AI 技術がバリアブル印刷業務にどうかわる?」かを少し話して欲しい旨はお願いしてある。
検査装置メーカーである株式会社マイクロ・テクニカの製品は金券類の検査にまで広く使用されている。今回登壇いただく藤本事業部長はMr.検査装置ともいわれる方で、きっと普段聞けない話を数多く聞けるはずである。また坂巻氏は大手のインクジェットプリンターの第一線営業マンから転身された方であり、バリアブル印刷での検査の大切さを語ってくれるはずである。
本セッションでは広く浅くではなく、かなり深いところまで掘り下げることを目的に企画したものなので、きっと受講者には満足いただけると信じている。
(JAGAT 専務理事 郡司秀明)
関連セッション
期待されつつも限定された用途にとどまってきたバリアブル印刷だが、マーケティング情報と連動したパーソナライズDMやカタログなど、市場が追いついてきた。アプリケーション、運用ノウハウ、検査などにフォーカスしてバリアブル印刷の核心に迫る。