2017年10月にgoogle home、11月にはAmazon Echoが日本でも発売されて、スマートスピーカーが注目を集めた。Amazon Echoの購入はまだ招待制のようだが、スマートスピーカーを手に入れて利用している人も多いことだろう。実際、使用してみた感想はいかがだろうか? ネット検索すると、たくさんのスマートスピーカーの比較記事や使ってみた感想を読むことができる。
JAGATでは2017年12月に開催したトピック技術セミナー2017の特別講演でパソコン、デジタルAV、ネット―ワーク関連を得意とするフリージャーナリストの西田宗千佳氏に「スマートスピーカー」について解説していただいた。
講演ではスマートスピーカーを実際に使用して、どういったものかも分かりすく解説いただいた。ちなみにAIスピーカーと呼ばれることもあるが、そのように呼ぶのはほぼ日本だけだそうである。
現在のスマートスピーカーの機能やできることについては、人それぞれに期待することや使用目的が違うので使い方だけではなく、そのビジネスの背景とスマートスピーカーが普及し、浸透することによって家庭やビジネスがどのように変わるについてお話いただいた。
スマートスピーカーの本質は音声アシスタント技術によるクラウドサービスといえる。それゆえ、このビジネスでは日々膨大なデータを取り扱うクラウドジャイアントと呼ばれるアマゾンやグーグルが圧倒するということになるようだ。
声を出して機械にしゃべりかけるという音声アシスタントを使うのは、日本人のなかには気恥ずかしく感じる人は少なくないだろうが、実はそれなりに使われ始めているようだ。例えば検索ではキー入力が苦手な高齢者層は、意外にも活用しているようだ。
スマートスピーカーが普及していくと、音声アシスタントを利用するのは当たり前になり、音声アシスタント技術がビジネス活用される分野はどんどん広がっていくと思われる。その際に、現在のようなスマートスピーカーという形である必要はなくて、あらゆる家電などに組み込まれる可能性もある。また、注目される自動運転技術でも、ユーザーインターフェイスはおそらく音声アシスタントが活用されるだろう。
さらに音声によるコミュニケーションが活発になれば、そこに活用、提供されるコンテンツも必要になる。音声応答を使う分野が広がることによって、新しい市場や、思いもよらない生活に密着した新しいコンピューターの利用方法が生まれるかもしれない。
※西田氏に講演内容については、JAGATinfo2018年2月号で紹介しております。