2016年の印刷産業出荷額(4人以上の事業所)は5兆555億円(速報値)

掲載日:2018年3月6日

「平成29年工業統計速報」が2月28日に公表された。4人以上の印刷産業出荷額は5.6%の大幅減となった。(数字で読み解く印刷産業2018その2)

2017年6月1日現在で実施された「平成29年工業統計速報」が2月28日に公表されました。調査期日が従来の12月31日から変更された初めての調査結果で、工業統計としては2年半振りの集計結果となっています。

これは、「平成27年工業統計調査」が「平成28年経済センサス-活動調査」の2016年6月実施に伴い中止となり、次に「平成28年工業統計調査」を12月に実施するのではなく、半年先の2017年6月に変更して「平成29年工業統計調査」を実施したことによります。

「平成29年工業統計速報」の利用上の注意としては、以下の2点に特に注意する必要があります。

・この集計値は、2018年1月26日時点で集計した速報値であり、後日公表される確報集計結果とは異なる場合がある。

・工業統計調査と経済センサス-活動調査は母集団となる名簿情報がそれぞれ異なることなどから、比較に際しては留意されたい。

従業者4人以上の事業所に関して、製造業の2016年の製造品出荷額等は299兆9173億円(前年比4.2%減)、印刷産業は5兆555億円(前年比5.6%減)となりました。

2017年6月1日現在の製造業の事業所数は18万9799事業所(前年比12.8%減)、従業者数は749万6677人(同0.0%減)、印刷産業は1万533事業所(同13.6%減)、従業者数は25万8202人(同2.2%減)となりました。

上の表でアンダーラインが引かれている調査年は経済センサスによる数値で、4人以上の事業所数は経済センサスの年には増加して、その反動で次の年の工業統計では大幅減となっています。この傾向は製造業全体でも同じような結果で、24産業分類のすべてで減少となりました。

出荷額は2015年の経済センサスでは製造業全体では2.6%増で5産業が減少となっただけですが、2016年の工業統計速報値では4.2%減となり、19産業が減少となっています。

詳しくは確報集計結果を待ちたいですが、経済センサスと工業統計とを単純に比較することはできないかもしれません。

『印刷白書2017』では印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。

(JAGAT 吉村マチ子)