デジタルマーケティングと融合する印刷の新たな可能性-JAGAT地域大会(JUMP)2018、6月スタート

掲載日:2018年5月25日

デジタルマーケティング全盛の時代に印刷会社は“紙メディア”をどのように顧客に訴求していくのか。今年度JAGAT地域大会(JUMP)では新たな印刷ビジネスの成長に向けた戦略を考える場として展開する。

ITの成熟化やデジタルマーケティングの進化に伴い、ビジネスを取り巻く環境は大きな変革を遂げはじめている。こうした時代の方向性に対応して、印刷会社は”印刷(紙メディア)”をどのように顧客に訴求していくのか。
昨年度のJAGAT地域大会(JUMP)では「印刷ビジネスの可能性を追求する!~アナログとデジタルの融合による印刷会社の戦略を考える」をテーマに、デジタルとアナログ(紙)を対立としてとらえるのではなく、相乗効果として印刷の強みを発揮するための戦略を考察した。

講演会では、フュージョン(株)代表取締役会長の花井秀勝氏に登壇いただき、デジタルに予算の多くが割かれるように推移してきた現代のマーケティング最新事情を踏まえつつ、その一方で消費者が感じているデジタル時代に欠如しているものを考察し、そのギャップを埋めるデジタルとアナログの組み合わせによる効果的なマーケティングについて、原寸大の「おせち料理」や「車の運転席」の写真を用いて効果を上げたDMなど、豊富な事例を交えながら解説いただいた。

花井氏は、結びとして「世の中が変わり、得意先が変わる。それに対応して社内体制を変え、社内制度を変え、社員の意識を変革する必要がある」としたが、今年度はその意識改革のために持つべき視点や、ヒントをつかむべく(株)goof代表取締役CEOの岡本幸憲氏を招き「デジタルマーケティングと融合する印刷の新たな可能性」と題し、特別講演を行う。

岡本氏は「アメリカではマーケティングのデジタルシフトが加速する中で、印刷業界もこれに並走するようにデジタルトランスフォーメーションを成し遂げてきたが、日本ではデジタルVSアナログの二極対決路線を選択してしまった。結果、ブランドオーナーも紙媒体を単純にコスト削減の的にしてしまった」と問題提起し、やはり「紙(リアル)VSデジタルの議論を続けるよりも、お互いの良さを合理的に融合させ、“with”で効果の高いマーケティングを実行しなければならない」と言う。これは、JAGAT的に言えば、2018年度の調査研究、イベント、教育の共通テーマとして掲げている『デジタル×紙×マーケティング』である。

さらに「デジタルとリアルの両方で得られるデータ分析の結果を理解し、正しい“シナリオ設計”ができる人材と、これを瞬時に支えられる“クリエイティブチーム”を育てること。あるいは能力のあるパートナーと強固な関係を築くことが必須である」と訴えるが、これはJAGAT的にはpage2018のテーマである『アライアンスNEXT』に通じるものである。

続けて「実は、革新的な技術向上でプリントメディアは単なる情報発信媒体からマーケティングアプリケーションへと進化を始めていることを知らないマーケッターが多い。デジタルマーケティングのプロたちがプリントメディアの可能性と楽しさを知り、各々のドメインをつなげることが大きな進化を起こす」と説くが、それを知らしめるのがこれからの印刷会社の役割であるべきである、との観点から今回の講演を依頼した。

JAGAT地域大会(JUMP)では、今年度も引き続きデジタルマーケティング全盛の時代における、紙メディアの担うべき役割、強みが活きるストーリー、シナリオ創りを追求すべく、様々な情報提供をしていく予定である。
日本でも成功事例が数多く出現はじめた印刷(紙)の新たなトレンドをつかみ、印刷ビジネスの成長に向けた戦略を考える場として、JAGAT地域大会(JUMP)2018を展開する。

その第一弾としてJUMP東北2018を来る6月29日(金)に宮城県印刷会館にて開催。その後9月11日(火)JUMP中国・四国2018(広島県印刷工業組合会議室)、11月17日(土)JUMP九州2018(福岡印刷会館)、11月30日(金)JAGAT近畿大会2018(太閤園)と各地を巡る予定である。

(CS部 橋本和弥)

【関連情報】
JUMP東北2018&ジョイントセミナー 6月28日(木)~29日(金)