コニカミノルタ株式会社(以下、コニカミノルタ)は、その前身の1社である小西六写真工業株式会社(当時)が1971年に発売した「U-BIX 480」が、国立科学博物館より重要科学技術史資料(以下、未来技術遺産)に登録されたことをお知らせします。
なおコニカミノルタ製品はこれまでに、2013年に「さくら天然色フィルム」、2020年に「ミノルタα-7000」、2021年に「コンパクトディスク用非球面プラスチックレンズ」ならびに「ミノルタプラネタリウム MS-10」が未来技術遺産に登録されています。
「U-BIX 480」について
小西六写真工業株式会社は、普通紙を使用する電子写真複写機(普通紙複写機)の開発を進め、独自技術による普通紙複写機を完成しました。そして1970年に、国産技術による最初の間接乾式電子写真複写機としてビジネスショーで発表したのち、翌1971年1月に「U-BIX 480」という商品名で発売しました。
当時の普通紙複写機では、感光体の現像にカスケード方式を用いることが主流であり、タイプライターや印刷文字などの線画像に対応するものでした。この方式ではトナーが静電潜像のエッジ(輪郭部)に偏ってしまい、階調やべた黒※1が良好に再現できないという欠点がありましたが、「U-BIX 480」は磁気ブラシ現像※2を採用することでこの問題を克服し、写真や鉛筆線の再現を可能にしました。また、当時は主に直接記録紙として使用されていた酸化亜鉛感光紙を、繰り返し使用可能な感光体シートとして用い、それをマスターキャリッジ※3に装填して回転させるという技術は世界初※4であり、これらの重要性が高く評価されて今回の登録となりました。
※1イラストやレタリングの原稿などで黒く塗りつぶされている箇所のこと
※2トナーを磁性粒子(鉄粉など)と混合した現像剤を磁石の磁気力で搬送して感光体を擦る現像方法
※3感光体シートを保持、搬送するための装置。ベルトコンベアー式に回転移動して複写工程を繰り返す。
※4発表当時、当社調べ
コニカミノルタは創業以来、カメラ、写真事業で培ってきた画像の入出力、画像処理を中核とする「イメージング」技術を活用して、世界中のお客さまの“みたい”という想いに応え、人々の生きがいを実現してきました。これからも、画像/材料/光学/微細加工といったコア技術を複合化・融合化することで、「見えないもののみえる化」を実現する新しい価値創造を継続していきます。
未来技術遺産について
国立科学博物館が実施している登録制度で、次世代に継承していくうえで重要な意義を持つ資料や、国民生活・社会・経済・文化のあり方に顕著な影響を与えた資料の保存と活用を図ることが目的です。2008年に第1回登録製品が選定されて以来、毎年一回選定されています。