起業家精神でチャレンジしよう

掲載日:2024年2月1日

業界紙誌等で紹介されている年頭の挨拶をみていると、印刷業界の現状と課題が浮かび上がってくる。

コロナ禍が終わっても印刷需要は戻らず、今後も印刷需要の減少が続くことを前提としつつもDXやSDGsなどの環境変化を味方につけて事業領域の拡大や新事業を創出し、持続的成長を実現するというものだ。

page2024カンファレンス・セミナーにおいても、こうした文脈でのテーマが中心となっている。ただし、みんなが同じやり方でうまくいくことはなく、正解は各社で異なる。多様な切り口、取り組みから自社ならではの強みを磨くきっかけとしていただきたい。経営者のみならず社員にとっても起業家精神が求められている。
以下、セッションの概略を紹介する。

【C1】2024年の印刷ビジネス展望 ~事業創造の経営に向けて
2024年の市場予想とうまくいっている印刷会社が採っている戦略を明らかにし、創注のための連携のあり方を考える。

【C2】会社を伸ばす経営指標の見方 ~伸びる企業の経営管理のリアル
利益を確保するための経営管理と創造性を発揮して持続成長する経営管理とは何が違うのか? 民事再生を経て持続的な成長を続ける河内克之氏(真生印刷/デジタル総合印刷/サンケイ総合印刷)の経営手法のリアルを例に議論する。

【C3】成長戦略を描く ~事業承継と事業創造
ベンチャー型事業承継という言葉がある。家業の経営資源を活用して新たなビジネスに挑戦することを指す。いままで通りがリスクという環境下で本業や業界業種の枠を超え、先代・先々代経営者の型を超すアップデート経営とその実践事例をもとに議論する。

【C4】印刷に新しい価値を吹き込むオンデマンドサービス
印刷会社の従来の「大量生産型」のビジネスモデルが行き詰まりつつあるなかで、適切なターゲットに適切なコンテンツを適切なタイミングで届けることで印刷物に新たな価値を与える大洞印刷の試みを紹介する。製造手段がオフセットからデジタルに変わることが本質ではない。オンデマンドビジネスに必要な要素を整理するとともに、そのエッセンスを印刷以外の事業に転用したTOWAの取り組みを紹介する。

【S3】未来を見据えた異業種共創と新事業開発
昨今、注目されているのが異業種との連携による新事業開発である。異なる産業や分野の企業が協業し補いあうことで、新たな市場や顧客層へのアプローチと革新的な価値提供を実現する。印刷需要の掘り起こしも期待できる。

【S4】キャラクタービジネスと印刷業の可能性
キャラクタービジネスは世界規模で高い成長性が見込まれている。グッズなどの2次利用ビジネスは印刷物との親和性も高い。肝となるライセンスに関わるポイントを整理し、印刷業のビジネスチャンスを学ぶ。

page2024オンラインセッションは計12本
基調講演の「印刷ビジネスがサスティナブルであり続けるために」は、JAGAT会員は無料で視聴していただけます。