これからは生成AIを利用して、レタッチのやり方も大きく変わっていくだろうと予想されている。だが、現時点でのAIレタッチのレベルを考えると、塗り足しなどは100%問題ないが、高度なモノになると人間の判断がどうしても必要になってくる。現在の生成AIの能力を考えると、文章生成は比較的簡単に行えるが、誰でも判断できるため点数は辛口になるようだ。それに対して画像生成は、コンピューターが描き出す写真品質なので驚きの方が勝るようである。
さて、私が大学で教えているレタッチだが、生成AIレタッチを見極めるまでには至っていない。そのため、今期は簡単にできる「10秒レタッチ」だけにとどめて、どのような写真(レタッチも含む)を発注者が望んでいるのかについて実例を挙げながら重点的に講義することにした。藝術学部というのは自分の満足がいく作品を制作することを目的としているので、発注者が望むものとは一致しないことが多々あるのだ。