※フリーペーパー研究の一端が紹介されました(京都大学新聞24年9月16日号)
|無料という制約が育む創意工夫
印刷会社が発行するフリーペーパーの調査を始めて10 年が経った。集めた紙誌を分析し、page の特設コーナーで展示するほか、大学の授業やセミナーなどでの解説に用いる一連の取り組みである。フリーペーパーはどこかに正式登録されるわけではなく、創刊も休刊も自由な媒体だ。地域の発行者と読者、広告主だけが知る、いわば謎めいた存在であって、どこが何を発行しているのか? 全国でいくつ集まるのか? 調査まではさっぱり不明だった。
調査を開始すると、全国から毎回20~50 紙誌が集まった。創刊も休刊もあるため、入れ替わりながらも続いていく。そしてコンテンツは想像以上に多種多様だった。印刷会社も事業会社である以上、無料媒体とはいえさまざまなビジネスモデルを組み込み、何らかのマネタイズを試みている点も興味を引いた。