今年2月14日~16日の3日間、サンシャインシティで開催した「page2024」は前回page2023に比べて出展企業、来場者とも大きく増加し、盛況理に終了した。
page2024 開催報告
page2024の概要は下記のとおりです。
【出展規模】 :148社447小間(前回122社423小間)
【来場者数】 :21,580名(来場者受付通過人数、前回比126.4%)
(内訳)
2月14日:5,426名(前回4,298名、前回比126.2%)
2月15日:7,106名(前回5,470名、前回比129.9%)
2月16日:9,048名(前回7,302名、前回比123.9%)
【来場者属性】
JAGATでは毎年、pageイベント出展企業に上記の開催報告を兼ねて、ご挨拶に伺っている。イベントの担当者様だけでなく、多くの経営者・役員の方々とも様々なお話をする中で、出展企業の特徴が見えてきた。
目的を持った来場者に対して趣向を凝らした出展ブースを展開
まず(今回だけではないが)昨今の来場者は、イベントに対する意識が高く目的を持って来場している人が多い、という意見を複数いただいた。これに関してはデータにも表れている。
上記のグラフは、page2024最終日である2月16日(金)の時間帯別来場者数の推移である。総合受付のある展示ホールDの入口と、その2つ上のフロアの展示ホールBの入口を通過した人をカウントした結果であるが、展示ホールD入口を通過した人の数が最も多い時間帯が14時台となっていた。以前は総合受付が最も混雑するのが15時台、厳密にいえば15時30分前後、というのが定説になっていたが、来場ピークが早まっていることが分かる。さらに展示ホールBの入口を通過した人が最も多いのが15時台となっており、その数も展示ホールのピーク時よりも多くなっている。これは14時前後に展示ホールD入口を通過した来場者が、1~1.5時間かけてホールD、Cを回り、2つ上のフロアまで上がっていった結果といえる。出展企業からも、来場者のブース滞在時間が長かったという声が多く、週末金曜日の午後に、ふらっと展示会場に立ち寄ってそのまま直帰、というかつての姿はあまり見られなくなっているのかもしれない。
リード獲得の手段としてのノベルティに工夫
一方、出展企業側もこうした来場者の意識の高まりを受けて、工夫を凝らしている。プロダクトライフサイクルの変化に伴い、かつてのように展示会に合わせて新製品・サービスを発表する企業は減少しているが、その分、出展ブースを訪れた来場者に渡すノベルティにこだわった出展企業が成果を出している傾向が高かった。
出展企業の多くは、展示会におけるKPIをリード獲得(個人情報の取得)数としているが、出展企業のブースを訪れた来場者側の関心が高ければ、その場で名刺をもらえるが、必ずしもそういう来場者ばかりではない。出展企業側からすると、むしろ名刺を出すほど今すぐ話が聞きたいわけではない「そのうちお客様」を取り込むことが、昨今の展示会の出展目的となっている。名刺を出さない来場者の個人情報の取得には、入場者証の二次元コードの読み込みが必要になるが、それと引き換えに渡すノベルティが重要になるのだ。ガチャを引かせたり、数百種類ものノベルティのパターンを用意し、来場者に選ばせたりしてリード獲得につなげており、出展に際してのプロジェクトチームに社歴の浅い社員を加え、アイデアを募り、それが成果につながったという声もあった。
イベントの来場者を増やすべく主催者企画を実施
来場者の目的意識の高まりに伴い、出展企業も変化している。ならばJAGATも変化しなければならない。page2024では主催社企画として「連携ゾーン」を展示ホールBに設置した。展示会場内にセミナー会場を設置するのはpage2019以来、コロナ以後は初めてであり、開催された無料セミナーの集客が心配されたが、結果はまずまずで来場者増に貢献することが出来た。しかしゾーン内の出展企業や展示内容とテーマがリンクしきれない部分があり、テーマである「連携」を体現できたとは言い難かった。 とはいえ、実質初めての試みであり、今回の経験を活かし、次回以降につなげていきたいと思う。
page2025を「行く価値のある」イベントに
出展企業からは、今回の連携ゾーンに対しては一定の評価をいただくも、やはりさらに来場者を呼び込むような面白い企画を望む声は多かった。印刷業界全体に大きな技術革新といえるトピックは少なく、出展企業も新製品やサービスをそう簡単に市場に送り込めない中、それでもせっかく期待を込めてやってきた来場者が、出展企業に個人情報だけ取られてしまっては、次回以降の来場にはつながらない。JAGATとしては知恵を絞り、pageを「行く価値のあるイベント」にしなければならない。今回の出展企業への訪問で、その為のアイデアはいくつか得ることが出来たので、これらをブラッシュアップして、より良いものにしていきたいと思う。
(研究・教育部 堀雄亮)