時代の変化に伴い営業手法を進化させる

掲載日:2024年5月24日

絶え間のない時代の変化に伴い、企業の営業手法も進化してきた。デジタル化の波が世界を席巻し、さらにはコロナ禍を経験する中、営業戦略も大きく変わっている。顧客との接触は対面での営業が主流ではあるが、今日ではオンラインでの商談が増え、さらにデジタルマーケティングやソーシャルメディア上でのコミュニケーションが台頭している。

HubSpot Japan株式会社が2024年2月に発表した第5回「日本の営業に関する意識・実態調査2024」によると「訪問営業の方がリモート営業より好ましい」と答えた営業組織(売り手)は53.3%と過半数を上回るものの、前回の調査より5ポイント減となった。一方、買い手側は39.4%で、前回と大きな変化はなかった。リモート営業は交通費や移動時間などのコストを削減でき、遠方の顧客への営業活動が容易になるなどの利点もあるが、対面と比べると相手の反応がわかりづらく、理解度や感触の把握が難しい面もある。これからもリモート営業などオンラインでの営業活動はますます伸びていくのか。まずは日本における営業活動の変遷を振り返ってみる。

 

営業活動の変遷
戦後復興期(1945年〜1954年頃)は対面販売や直接営業が主流であり、営業社員が架電をしてアポイントを取り、もしくは飛び込みで顧客を訪問し、製品を販売することが一般的だった。

高度経済成長期(1955年〜1972年頃)に入ると、企業の競争が激化し、製品やサービスの差別化が求められる。販売促進活動やマーケティングの重要性が増し、テレビや新聞などのマスメディアを活用した広告手法が台頭した。

バブル経済期(1986年〜1991年頃)は経済の好調とともに企業の営業活動も拡大。大手企業は派手な宣伝やキャンペーンを展開し、高額な広告費を投じて顧客を獲得しようとした。また海外展開も盛んに行われ、グローバルな営業活動が拡大した。

 

デジタルの活用
IT革命期(1990年代末〜2000年代初頭)はインターネットの普及とともに、営業活動もデジタル化の波に乗り始めた。企業はウェブサイトやオンラインショップを開設し、インターネットを活用したマーケティングや販売促進活動を展開した。またCRM(顧客関係管理)システムの導入やデータ分析の活用も進んだ。

そして現代では、ソーシャルメディアの普及やモバイルテクノロジーの発展により、営業活動はさらに多様化した。企業はSNSを活用したコミュニケーションやオンライン広告を展開、またAIやビッグデータの活用も進み、より効率的な営業活動が可能になっている。そして冒頭で示した通り、訪問営業はリモートが当たり前になっている。

 

顧客との関係構築
こうして見ると高度経済成長期のマスメディア登場以降、人を介さない営業活動が増え、IT革命期以降はインターネットの活用が必須となった。さらにはコロナ禍をきっかけにリモート営業も増加したといえる。

その時代時代に登場した技術に乗って営業手法、戦略は変わってきたわけで、新しい技術を活用した営業活動はオンラインに留まらずに今後も進化していくだろう。しかしどの時代においても顧客との関係構築が重要視されることは変わらない。顧客が自社の価値観やビジョンに共感し、信頼感を抱くことができれば、競争の激しい市場でも継続的な関係と成果が期待できるだろう。そのために企業は、変化し続けるビジネス環境において、新たな技術や手法を取り入れていく必要がある。

JAGATでは「営業初心者をあっという間に戦力化する営業マネジメント術」や、「印刷会社の差別化や価値を高めるためのブランディング」など営業手法や顧客との関係構築に資する以下のセミナーを用意している。これらも時代のニーズに呼応してオンラインでの開催だ。貴社の社員教育に是非、活用していただきたい。

 

6月11日(火)、28日(金) 10:00~17:00 強い営業組織の作り方

6月20日(木) 14:00~17:00 営業と制作とのリレーションシップ構築に必要なことは何か

6月24日(月)、25日(火) 10:00~17:00 印刷会社のブランディング入門

7月  9日(火) 14:00~17:00 新入社員の離職を防げ!1on1ミーティング

(研究・教育部 河原 啓太)