総合カタログが減少する傾向にあるが、新たに分冊版や分野別カタログが増えている。
■
総合カタログの減少
近年、大規模な製品カタログや総合カタログの発行が減少している。
かつては、事務・オフィス用品や建築資材・部品等々さまざまな分野で総合カタログが製作・発行されていた。取扱製品の増加に応じて、年々ページ数が増え、冊子が分厚くなっていったものである。
しかし、検索機能もなく分厚いだけの総合カタログは、製作コストの割にエンドユーザーにとって利用価値が低くなってしまった。新製品情報を反映するにも、年1回程度の発行では時間差が大きすぎて、不都合が多い。
結局、総合カタログの機能はWebサイトに移管するという企業や事業体が増えている。
一方で、限定したターゲットにアピールするには専門の印刷物やカタログが適している。
通販カタログであれば、年齢、家族構成、嗜好などさまざまな分野別のカタログにすることで、メッセージが明確化し、訴求効果も高いと言える。
富裕層向けの高級カタログやパンフレットも、その一例である。
不動在庫になりがちな大量部数を前提にするのではなく、適正な発行回数と適正部数にすることも容易である。
デザイン面では、総合カタログは大量の製品を掲載するため、単純な定型レイアウトが多用されていた。分野別カタログでは、より自由度が大きくデザイン性の高いレイアウトが好まれる傾向が強い。
デザイン性の高いレイアウトに求められる自動組版とは
データベースを利用した自動組版・バッチ処理は、以前から広くおこなわれていた。大規模な製品カタログや情報誌、フリーペーパーなど、定型的なレイアウトと大量データを扱う印刷物では、一般的な手法となっている。
しかし、近年では定型レイアウト・大量ページの印刷物自体が減少している。
むしろ、特定の分野や顧客層をターゲットにしたデザイン性の高いレイアウト、適正ページ数、適正部数のカタログが好まれるようになった。
製作工程の面から見ると、コンテンツの一元化などWeb配信やモバイルとの連携は当然であり、なおかつデザイン性の高い自動組版が要求されている。
例えば、デザインテンプレートを選択してデータベースの情報を流し込み、そのパーツを自由に配置する。レイアウト時に修正したテキストはデータベースに反映されるといった柔軟性の高い自動組版が求められている。
(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)
(※関連セミナー)12/9(火)【オンライン自動組版とWeb配信の連携】