光村グラフィック・ギャラリー 津上みゆき展「めぐりくる時と風景」開催

掲載日:2024年8月19日

光村印刷が運営する光村グラフィック・ギャラリーでは、[現代の視点シリーズ第4弾]として、津上みゆきの絵画と新聞連載挿画による展覧会 津上みゆき展「めぐりくる時と風景」を2024年9月20日(金)~10月19日(土)に開催します。


          ―――四角い空間、余剰のない空(くう)の世界に知覚経験の足跡をつけていく。       
          スケッチは二度と戻らない時を追いかけること。戻らないその時間を思う場所への
          地図を編み、誰にも開かれた場所となるべくキャンバスに定着させていく。

            津上みゆき「スケッチにおける、余白について 空間における、道について」
              (『みえるもののむこう』、神奈川県立近代美術館、2019年)より引用

 
  


本展は、2019年から2024年の5年間に制作された近作を中心に構成いたします。品川区を流れる目黒川周辺を取材したスケッチをもとにした最新作にもご期待ください。また、本年6月まで日本経済新聞夕刊に掲載された連載小説「イン・ザ・メガチャーチ」(朝井リョウ作)で全359話を担当した挿画の中から選りすぐったスケッチやドローイング、キャンバス作品も展示し、画家の眺める現在という‘’風景"を確認できる展覧会となっています。

津上みゆきの生み出した「めぐりくる時と風景」をぜひお楽しみください。

津上みゆき プロフィール


1973年東京に生まれ大阪に育つ。京都芸術大学大学院修了。1996年NY滞在中に制作、作品について再考する機会を得、帰国後独自の絵画を改めて探求し始める。2003年VOCA賞受賞。2005年大原美術館が行う滞在制作プログラムにおいて日々のスケッチを元に風景画を描くという現在まで続く制作方法を確立した。主な展覧会に2005年個展「ARKO 津上みゆき」(大原美術館)、2018年個展「時をみる」(上野の森美術館ギャラリー)、2019年「The’Herstory ‘of Abstraciton inE astAsia」(台北市立美術館)、個展「View 一人の風景」(長崎県美術館)。主なパプリックコレクション:アーティゾン美術館(東京)、アーツ前橋(群馬)、大原美術館(岡山)、国立国際美術館(大阪)、東京国立近代美術館(東京)、長崎県美術館(長崎)。

展覧会概要


津上みゆき展「めぐりくる時と風景」

・会期:2024年9月20日(金)~10月19日(土)10:00〜18:00
 ※休館日9月22日、9月23日、9月29日、10月6日
・会場:光村グラフィック・ギャラリー(MGG)
 https://www.mitsumura.co.jp/csr/mgg/
 東京都品川区大崎1-15-9 光村ビル1F
・主催:光村印刷株式会社
・協力:ANOMALY

当社アートカレンダー「現代の視点」シリーズの第4弾(2024年)は、津上みゆきが担当いたしました。
当カレンダーの連動企画として、津上みゆき展「めぐりくる時と風景」の開催が実現しました。


〈イベント〉


オープニング
9月20日(金)17:00〜

ギャラリートーク
対談「連なる日々に道となる風景」津上みゆきx稲葉友汰(長崎県美術館・学芸員)*敬称略
9月28日(土)14:00〜16:00
2024年の当社アートカレンダーと作品集『View, 20 Pieces, 2020-21』内で津上みゆき作品について執筆いただいた長崎県美術館の学芸員・稲葉友汰さんをゲストスピーカーとしてお招きし、ギャラリートークを開催いたします。
詳細は、決定次第、当社ホームページ(https://www.mitsumura.co.jp/)、MGGのSNS等で告知します。お楽しみに。


本展の見どころ


日々のスケッチを元に風景画を描くという方法で作品の発表を続ける画家・津上みゆき。作品タイトルには、一貫して‘’View’’という言葉が冠されています。これは、人がどのように外の世界を自らの世界として捉え、自身の視点から尺度や価値観を構築していくのか、スケッチを通して観察し、制作に取り組んでいる事に由来します。

本展で展示する2019年から2024年の5年間の作品においても、様々な土地の記憶を紐解く作品が並びます。2019年制作の横幅約6mの大作は、初出展である美術館の立地を鑑みたスケッチ取材から端を発した作品です。

《View, the passage, Hayama, March-June 2019》
2019年 / H194×W615.8cm
キャンバスに顔料、アクリル、鉛筆、色鉛筆
©Miyuki Tsugami courtesy of ANOMALY


続く2020年ー2021年は、「コロナ禍」と呼ばれる時に生まれた、20点のタブローで絵巻物のように表現した全長約30mに及ぶ作品、《View, 20 Pieces, 2020-21》を書籍にてご紹介いたします。

2022年の作品からは、ある山路を三つの視点に分けて描いた《View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022》など、「道」を描いたキャンバス作品3点を展示いたします。

《View, Through the Doors, Morning 16 Jan 2022》
2022年 / H146×W276.5cm / キャンバスに顔料、アクリル、その他 / 個人蔵
©Miyuki Tsugami courtesy of ANOMALY


2023ー24年制作の作品からは、日本経済新聞夕刊の連載小説「イン・ザ・メガチャーチ」(朝井リョウ作)の挿画を展示いたします。小説家が繰り広げる言葉の世界とともに走り続けた1年3か月弱、359話。登場人物の心の動きと共鳴する、植物、あるいは風景を描いた作品をご鑑賞いただけます。

《柿、5:55pm 2023 20 Feb》
2023年 / H19.3×W24.5cm / 鉛筆・水彩、紙
©Miyuki Tsugami


さらに本展では、MGGギャラリー周辺の風景を含む、最新作も展示します。コロナ禍前後ともいえるこの5年間に、スケッチを通し、作家が見つめ、描いた風景の記憶。その「めぐりくる時と風景」をぜひお楽しみください。


津上みゆき作品集『View, 20 Pieces, 2020-21』発行のお知らせ

コロナ禍という特異な日々を通して生まれた連作(View, 20 Pieces, 2020-21)を収録した作品集を発行予定です。当社も印刷会社としてお手伝いいたしました。本展覧会の会場にて初の販売となります。
ぜひこの機会に、多くの方々にご高覧いただければ幸いです。



光村グラフィック・ギャラリー
https://www.mitsumura.co.jp/csr/mgg/