来春卒業予定の大学生の就職内定率はすでに9割を超え、進路が確定した学生が大勢いる一方、内定辞退率も例年より高く推移している。採用企業側としては、あらかじめ内定辞退の要因を把握しておくとともに、積極的に防止策を講じる必要がある。
リクルート就職みらい研究所「就職プロセス調査(2025年卒)」の2024年8月1日時点内定状況によると、「大学生の就職内定率は91.2%(前年比4.6ポイント増)で、進路確定率は80.6%(同3.2ポイント増)と例年より早いペースで推移している」という。一方で、内定辞退率は同時点で65.0%(前年比2.5ポイント増)と、高い率となっている。ただでさえ売り手市場の就職戦線にあって、優秀な人材確保はますます大きな課題となってきている。
新卒内定者が辞退する理由は人それぞれであろうが、さまざまな資料などを集約すると、以下のような要因が挙げられる。
1.より良い給与や待遇やといった他社からのより魅力的なオファー
2.自身のキャリアに対する不安や方向性(興味・関心など)の変化
3.家族の健康問題や引っ越し生活の不安といった家庭の事情や個人的な要因
4.企業文化(社風)や働き方(ワークライフバランスなど)への不安
5.内定後の対応やサポートが不十分といった企業への不信感
6.入社までの長期間によるモチベーションの低下
辞退理由の1~3は、採用企業側でコントロールすることはなかなか難しいが、4~6までの理由に関しては企業として対応が可能、すなわち防止策を講じることができそうである。
実際に、内定辞退防止策を辞退理由と同様にあたってみると、最初に挙げられているのが「内定後のフォローアップ」、次に「内定者への適切なサポート」である。
具体的には、内定者に対し定期的なコミュニケーションをとり、面談や懇親会の機会などを通じて会社の雰囲気や社風を感じてもらい、関係を深める。また、研修やグループワークにより会社に対する理解を深め、他の内定者との絆を深める機会を提供することなどが、内定防止の有効な施策とされている。
内定者とのコミュニケーション機会を作り、働くことの不安やモチベーション低下を防ぐ施策として、JAGATが毎年おすすめしているのが通信教育「印刷業のための新入社員コース」によるフォローアップである。
本コースは、社会人としてのマナーなどビジネスの基本だけでなく、印刷産業の成り立ちや、印刷技術の基礎知識、印刷会社の仕組みなど、新入社員が印刷業界や印刷会社の仕事についての理解が深まるカリキュラムを、時間と場所にとらわれず、総合的に学習できる印刷業界に特化した唯一の通信講座である。
また、受講者の学習をサポートし、理解を深めるための講義を、オンデマンドで受講できる動画セミナーが副教材として付属しており、新人には理解が難しい印刷技術基本に時間を多く割き、講師が懇切丁寧に解説しており、受講期間内であれば、いつでもどこでも何度でも聴講できる。
3カ月の受講期間に課題のやり取りなどで、人事担当者とのコミュニケーション機会が生まれ、こうした教育研修を受けることで、知識やスキルが身に付くだけでなく、教育を施してくれる企業に対する帰属意識が高まるとともに、モチベーションが維持できるといわれており、内定者の不安を解消するのにも有効と考えられる。
内定者フォローアップとしてJAGAT通信教育「印刷業のために新入社員コース」をおすすめする。
(研究・教育部 橋本 和弥)
【関連情報】
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