気象観測用の機器を収納するための箱として、「百葉箱」がある。白色に塗装された鎧戸状の箱で、支柱などによって1.2m〜1.5m程度の高さに設置される。小学校の敷地内で見掛けた、あるいは授業で使ったという経験をお持ちの方も多いだろう。日本でよく見られる形状の百葉箱をスティーブンソン型百葉箱と呼ぶが、記録によれば日本に百葉箱が到着したのが1874(明治7)年のことで、翌1875(明治8)年に百葉箱を用いた気象観測が開始されたと推測されている(参照リンク)。
その後、気象庁では百葉箱を用いた気象観測は1993(平成5)年で終了したとのことで、現在は学校などの教育関連施設をはじめ地方自治体などで細々と使用されているというのが実情のようである。最近話題になったこととしては、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)では一部の駅ホームに設置されている百葉箱を順次撤去する方針であることが報じられた。1934(昭和9)年の設置開始以降、駅構内の環境を測定し続けてきたが、計測機器のデジタル化などにより百葉箱を使用する必要性がなくなったとのことだ。報道によれば、2024年度末にリニューアルされる森ノ宮駅コンコース内のギャラリースペースで百葉箱も展示・保存を行い、大阪の地下鉄の歩みを後世に伝えていくという(参照リンク)。
だが、観測機器を収納する百葉箱は役目を終えるものの、計測活動自体を終了するわけではない。何年、何十年にわたって測定結果が継続的に蓄積されていくことで、そのデータはますます価値を帯びてくる。JAGATが実施している「印刷産業経営力調査」も、今年で46回目となる。最新号では設備投資分析編と需要分析(製品)編を収録するので、ぜひ通読していただきたい。
『JAGAT info』2024年9月号のご案内
◯特集
「2023年度印刷産業経営力調査」設備投資分析
設備投資から人材投資へ、非印刷事業の拡大を目指す
毎年恒例の会員企業を対象にした昨年度の「印刷産業経営力調査」の結果について、9月号では設備投資分析編として回答各社の設備投資戦略に関する分析を行う。設備投資の予定を「前期より増やす」とした回答は、今回の調査では一段落した。そして、新規事業やサービスの立ち上げが進んでいるほか、採用難や今後の印刷需要減を見越した生産体制の見直しのなかにも、デジタル印刷へのシフトが見られるといった特徴がある。
詳しくは、本誌をご覧いただきたい。そして、ご回答いただきました皆様には、改めて御礼を申し上げます。
◯特別企画
2024年度下半期のJAGAT主催イベントについて
今年度も間もなく下半期となる。そこでJAGAT主催の主要なイベントについて、開催時期や概要をまとめてみた。ぜひ、お誘い合わせのうえ、ご参加いただきたい。
・JAGAT大会:2024年10月23日(水)
弊会社屋でのリアル開催とオンライン配信の併用
基調講演・研究調査報告・ディスカッションの3本立て(プラスBBQ大会)
・page2025展示会:2025年2月19日(水)から21日(金)の3日間
東京・池袋のサンシャインシティで開催
基調講演は会場開催、カンファレンス・セミナーは前週にオンライン配信を予定
・トピック技術セミナー:2025年3月開催
(『JAGAT info』編集部)
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