印刷営業のプロフェッショナルになるためには

掲載日:2024年10月29日

印刷営業の仕事は、クライアントのニーズを正確に把握することから始まる。単に印刷物を売るだけでなく、クライアントの事業目標や課題を深く理解した最適な提案をしなくてはらならない。時にはクライアントが明確に表現できていない要望を読み取り、具体的な形にする能力も必要だ。

 

 

そしてデジタルコンテンツやクロスメディア戦略など、常に変化する市場トレンドやテクノロジーの進化にも敏感であり、著作権法や個人情報保護法などの法令を遵守しつつ、クライアントの機密情報を適切に管理するなどコンプライアンスの面でも責任がある。さらには環境に配慮した印刷方法や材料の提案など、社会的責任も求められている。

 

印刷営業はやりがいのある職業だが…

上記から分かるよう、印刷業界の営業は多面的なスキルと知識を必要とする、やりがいのある職業だ。しかし、その反面でストレスも多い仕事でもある。受注に至ったとしてもクライアントの厳しい要求、社内製造部門からの突き上げなど、予期せぬトラブルへの対応で心身ともに負荷のかかる場面も少なくない。

OD人事経営コンサルティングの上妻代表によると、印刷営業は他業種に比べてトラブルの多い職と言う。その主な理由は

・印刷物を受注した段階では、製品そのものが存在しない。クライアント独自仕様の製品を
 設計して製造する。

・印刷物の品質はクライアントの主観で評価され、その評価が間違えていることもある。

・印刷工程は複雑で⾧く、さまざまな立場の関係者が関与し、修正や変更が多いため品質事故が
 発生しやすい。

などが上げられる。

例えば色校正のやりとり一つとっても、クライアントからの「もう少し赤みを抑えて」や「もっと明るい感じで」といった抽象的な指示に四苦八苦することがある。「前回と同じ色で」と言われても、紙質や印刷条件が異なれば完全に同じ色を再現するのは至難の業。そんな時、印刷営業はどのように対応をすればいいのだろうか。

 

印刷営業トラブル対応講座
この課題を踏まえて、JAGATでは11月18日(月)・26日(火)に印刷営業トラブル対応講座を開講する。これは経験を積んだ印刷営業(主に40代から)が、営業現場でよくあるトラブルのケーススタディを通じて、トラブル対応の基本から実務的なテクニックまでを身に付け、さらにコンプライアンスの重要性を理解し、トラブル発生を未然に防ぐ方法を学ぶものだ。本講座は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施する「生産性向上支援訓練」のため講義料は2日間で5,500円(税込)と大変お得になっている。

40代という年齢は、ただ経験を積むだけではなく、自分自身を再評価し、新しい挑戦へ向かう時期でもある。これまで培ってきたスキルや知識に加え、新しいものを吸収し続けることで、自身をさらに成長させることができる。是非、本講座に参加いただき、印刷営業のプロフェッショナルとして、得た知見を実践するだけでなく、社内において後進へ展開をして欲しい。

印刷営業には多くの責任がある。それゆえに得られる達成感も大きいものだ。クライアントの満足そうな表情や、自身が担当した印刷物、成果物が世に出ていくところを見ると、この仕事の醍醐味を感じずにはいられない。

 

印刷営業トラブル対応講座 
11/18(月)、11/26(火)10:00~17:00 ※2日間講座です。受講対象は40代~。

印刷見積り基礎講座
11/21(木)、11/22(金)10:00~17:00 ※2日間講座です。  

プロモーションの仕組みづくりと営業活動手法
11/28(木)、11/29(金)10:00~17:00 ※2日間講座です。

(研究・教育部 河原 啓太)