3月の売上高は△2.9%。昨年9-10月をピークに5カ月連続の減少、減少幅は2カ月連続で拡大。特に首都圏では年明けから低調が続くとの声が聞かれる。
地域別では、首都圏(△2.4%)が3カ月連続の減少。増加している企業も半分あるが、減少している企業の落ち込み幅が大きいことによる。名古屋圏(+1.9%)は2カ月ぶりの増加。昨年11月以降は増減が大きく不安定。大阪圏(△4.0%)は6カ月ぶりに減少。旺盛なインバウンド消費など好調な経済を背景に好調だったが一段落。
業種・業態別では、商業印刷(△4.3%)が5カ月連続の減少。減少幅の大きさは、英国のEU離脱ショックの余波で経済が変調をきたした2016年10月以来18カ月ぶり。東京に多い出版印刷(+1.0%)は2カ月ぶりの増加、昨年11月以降はほぼプラス圏で堅調に推移している。地方に多い総合印刷(△1.5%)は3カ月連続の減少。紙器・事務・その他(+0.8%)は2カ月連続の増加、昨年4月以降、息の長い堅調さとなっている。規模別では99人以下が堅調の一方、100人以上の減少幅が大きい、という先月同様の傾向。
【印刷会社経営者の声】
■ 茨城:商業
今年は気温が高く、お花見とイベント実施のタイミングがズレて困っているところが多いです。
■東京:商業
営業所開設で大忙し。変化の中で課題の見える化、組織の不整合の見える化をし、成長へのターニングポイントとして活用したい。
■ 神奈川:商業
クロスメディアの売上高が徐々に増加している。メールマガジンに反響がある。
■ 長野:出版
いつもより桜の咲く時期が早い。昔の繁忙期も今は決まっておらず、いつが忙しくなるのか読みづらくなってきている。季節も仕事もどんどん変化しています。暖かくなって気が緩みがちなのを引きしめていきたい。
■ 岐阜:総合
年度始めで定期物の入札案件が続きましたが、相変わらずダンピングの横行。これではなかなか業界が良くなることはありません。価格競争だけの戦いにはホトホト嫌気が差します。今年度は厳しくなることが予想されます。
(『JAGAT info』 2018年5月号,印刷経営ウォッチング,p56-57より抜粋して要約)