顧客参加型企画を活用したクロスメディア戦略のご提案
第23期クロスメディアエキスパート認証試験(2017.2.26実施)
第2部論述試験「提案書」解答例
顧客参加型企画を活用したクロスメディア戦略のご提案
2017年2月26日
株式会社A社 本部広報室御中
【はじめに】
この度はご提案の機会を頂き、誠にありがとうございます。
A社様は、中古マンションのリノベーションサービスで他にない自由度とデザイン性を実現されており、顧客から高く評価されています。
このご提案により、これまで以上に顧客にリノベーションのイメージを持ってもらい、ひいてはA社様のスタッフの皆様と技術が評価されるものと考えます。
【現状の分析】 SWOT分析で記載させて頂きます。
【課題】 現状の分析から以下3点が課題であると考えます。
①「マンションリノベーション」と他の住宅購入手段の差別化提案ができておらず、マンションリノベーションを選択するべき理由を顧客に提示できていません。
②業界で評価されているA社様の強み(良質なスタッフと顧客目線の人事制度)が顧客にアピールできておらず、「どうしてA社様を選ぶべきか」が不明確になっています。
③販促ツールの効果測定がなされていないため、顧客にとって何が関心を持ったきっかけになったのかが分からなくなっています。
そこで・・・ ↓
【ご提案の概要】
「マンションリノベーションコンテスト」企画により、住宅購入手段に悩む顧客をターゲットにリノベーションの当事者になって他ではできないリノベーションの楽しさや良さを実感して頂きます。
1位となった顧客にはリノベーション費用を一部負担し、実際のリノベーションの様子を自社HPとSNSにてPRして、HPとSNSの読み手にもマンションリノベーションとA社様の技術力に興味を持ってもらうことを狙います。
【ご提案内容】
①ポスター及び宛名なしDMを使用して、コンテストを周知します。
・ポスター → ショールームの他、子育て支援の行政センターに貼ります。
・宛名なしDM → 外部委託サービスで、20代~30代のファミリー層をターゲットに送付します。
②コンテスト募集サイトを構築し、コンテスト応募をWeb上で受け付けます。
③コンテスト結果はWeb上で発表し、審査はA社様のインテリアコーディネーター様にもご協力いただきます。
④1位になった方には実際にリノベーションを行っていただき、その様子をモニターとしてリポートしていただきます。Webサイト(自社サイト)とfacebook、Instagramで更新していただきます。
⑤興味を持った顧客にリノベーション情報を定期配信する会員募集を案内し、囲い込みを狙います。
【スケジュール】
弊社では、デザインから印刷、Webに至るまでコミュニケーション戦略に必要な成果物をトータルでご提案できるスタッフと環境がございます。
【費用】
・DM制作費:50万、DM印刷費:100万、DM発送費:100万
・ポスター制作費:50万、ポスター印刷費:150万、ポスター掲示費:100万
・Webサイト構築費:300万円
・会員募集サイト構築費(会員ページを含む):200万円
・コンテスト用サポート費用(プレゼント代、取材代):200万円
・会員用DM費:150万円(制作~発送)
【提案による効果】
①顧客自身が実際にリノベーションの当事者となり、自分でリノベーションを設計することで、会社主導の住宅スタイルとは全く異なる楽しさに気づいていただきます。
②実際にコンテスト1位となった顧客にモデルケースとなっていただくことで、顧客目線でのA社様の良さを発信していただきます。
③Webサイトではコンテストをどこで知ったか確認することで、販促ツールのレスポンスを読み取り、次回以降のアプローチに活用できます。
④コンテストに興味を持った層を、次回以降のセミナーのターゲットとし、会員登録を促し、セグメント別に興味のあるテーマでDMを発行、囲い込みを行います。
(例:住宅循環支援事業 支援金申請と活用セミナー)
【終わりに】
この提案により、A社様のサービス内容と強みがより多くのお客様に喜ばれることになると考えます。
何卒ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
(以上)
(作成者)
A.N (東京都)
(コメント)
マルチメディアとクロスメディアの違いを意識した提案作りが大切だと感じました。メディアを単に組み合わせるのではなく、顧客の実現したいことのために各メディアの有効な場面や長所を生かすにはどうしたら良いか考えることで、クロスメディアならではの提案ができるようになると思います。
また、業界紙や経済紙で最新のメディアについて学び、自分の引き出しを多くすること、過去の試験の講評を通読することで、過去の先輩方の着想に触れたことも有効でした。
想定顧客に対して自分なりの提案をつくる試験なので、難しさはありましたが、試験勉強から本試験まで楽しんで取り組むことができました。
資格取得を通じて再確認した「自分がお客様なら、どんな提案にワクワクするだろうか」の観点は、試験の場にとどまらずどのような仕事でも活かせるものだと思います。
今後のお客様への提案に活かしていきたいと思います。