6月の売上高は△0.1%。4月から3カ月連続でほぼ前年同月なみで横ばい推移している。落ち込んだ2-3月に比べればマイナス幅は相当に縮小したが、市場にプラスに転じるほどの力強さはない。
地域別では、首都圏(+0.6%)は6カ月ぶりのプラス。名古屋圏(△3.4%)は2カ月ぶりのマイナス。昨年11月以降はやや減少傾向にあって浮き沈みが大きく、地域別には優等生的だった近年の高位安定という感じではなくなっている。大阪圏(+3.3%)は2カ月ぶりのプラスで伸び幅も大きく、過去数年にない堅調ぶりだ。
業種・業態別では、商業印刷(+0.7%)が衆院選のあった2017年10月以来8カ月ぶりのプラスを回復。東京に多い出版印刷(△3.2%)は2カ月連続のマイナス。月ごとの増減幅が大きく不安定な様子がうかがわれる。地方に多い総合印刷(△2.2%)は、5月に2018年初のプラスになったが、再びのマイナスと苦戦基調は変わらない。紙器・事務・その他(△1.1%)は2カ月連続のマイナス。
規模別では300人以上(+7.5%)が3カ月連続のプラスと復調。30人未満(+6.8%)も3カ月ぶりのプラス。小規模と大規模が回復する反面で30~299人規模のマイナスが続く。このような状況のなか、規模が大きくなるに従いマイナス幅が小さくなる規模と業績の相関が見られる。
【印刷会社経営者の声】
■ 茨城:商業
来年の茨城国体に向けて、告知などの印刷物が発生しています。
■東京:商業
平均年齢が高くなり、人材採用も苦戦。顕在化していないリスクの高まりを感じる。顧客に対する対応力はあるが、社内体制に求められる対応力の向上が必要。
■ 長野:総合
今後の営業が目指す方向性。特定分野の専門性を高める。既存顧客の深堀営業で目標を高める。また、新規顧客の開拓で業績の向上を計る。顧客の要望に対応できる人材の育成と人間力・営業力の向上が求められています。
■ 岐阜:総合
西日本豪雨災害で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。岐阜も特別警戒警報が発令されました。当社ではBCPの策定が進んでいません。地震はもちろん、水害も想定する必要があると実感しています。
■ 山口:商業
印刷の注文が減少。企画・システム・提案の案件は増加。
(『JAGAT info』 2018年8月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)