JAGATでは、10月30日(火)、早稲田大学のフリーペーパー講座にて、「印刷業界から見たフリーペーパー」と題する講義を行った。 フリーペーパー講座は、メディア研究が盛んな同大学のメディア文化研究所などが協力し、2008年度(単位の取得できない講座としては2006年度から)に開講した。
開講前の2007年はフリーペーパー広告費がピークを迎え、部数だけでなく紙誌面の内容も飛躍的に向上、成熟したメディアとして、既存の新聞、テレビ、雑誌、ラジオなど4マス媒体と並ぶ新しいメディアという地位を確立し始めていた時期に当たる。しかし、フリーペーパーは日本の大学において調査・研究、あるいは授業科目の対象として取り上げられてこなかった。
そのため、先述した同学メディア文化研究所が中心となり、国内の大学における初の試みとして歴史、理論、実務という多角的な側面から、フリーペーパーの現状、そして将来の展望を追究する講座を開講、第一線の研究者や実務家を数多く招聘し、学ぶ機会を学生に提供し続けてきた。
早稲田大学は、メディアに興味を持つ学生が非常に多く研究・実践なども盛んで、実数は把握できていないが毎年数多くのフリーペーパーが学内で創刊されているという。そのため、最新の情報や事例を学ぶことのできる同講座への反響は毎年大きく、定員300人のところに1000人近い申込みが殺到する人気講座となっている。
JAGATでは、公益性の観点で2014年から同講座に協力、今回は10月30日(火)に「印刷業界から見たフリーペーパー」と題して、90分にわたる講義を行った。 「印刷産業」「印刷メディア」「印刷会社と地域活性の関係」「変わるフリーペーパーの役割」「印刷会社のフリーペーパー事例」「フリーペーパーの平均像から」「フリーペーパーを活用したビジネスモデル」という、7つのコンテンツから、印刷業界の現状やフリーペーパーとの関係性、各地域のフリーペーパーなどを説明した。
講義中、学生は真剣なまなざしで多くのことを吸収しようとペンを走らせながら熱心に聞き入っており、講義後も学生から疑問点の質問が挙がるなど多くの反響が寄せられた。最後に、講座開催にご尽力されている早稲田大学非常勤講師の稲垣太郎氏、そして自社で企画・制作するフリーペーパーを送って下さったJAGAT会員企業の皆様に御礼を申し上げたい。
(研究調査部 古田優樹)