※印刷後継者・幹部ゼミナールを終えて考えたことより
●直観力のリセット
印刷業界でも世の中で変化が起きていないと考える人は少ないだろう。業績を伸ばすための事業革新やビジネスモデルをつくることが課題となる。経営者、幹部を中心に社員が主体性的に課題に向き合い、発想し、問題解決することがカギを握る。 ダイヤモンド社より2017年出版の『マッキンゼーが予測する未来』<近未来のビジネスは、4つの力に支配されている>では、産業界はかつて経験したことのないような変化と混乱のなかにいることを提唱し、これまでの成功体験やスキルが通用しないことを述べている。「直観力のリセット」という言葉が出てくるが衝撃的だ。また、現代はVUCA(ブーカ)と呼ばれることがある。VUCAは、1990年代には登場していたアメリカでの軍事用語だ。2010年代になってビジネスの業界でも使われるようになった。「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を並べたもので、「変化が激しく予測が難しい現代」を表す言葉として使われている。企業の寿命はどんどん短くなり、急速なテクノロジーの発展などで益々予測することが難しい状況を表している。従来、経営者や経営幹部はある一定の成功体験をもとに事業を発展させてきたが、一方で、過去のやり方が同じように通用するわけではない。それは、印刷業でのテクノロジーの変遷を見ても明らかなことだ。ビジネスが衰退する最大の原因はこれまでの成功体験をそのまま継続しようとするところにある。ロングセラーといわれているものも時代に応じて微妙に変化対応をしている。変化に向き合い常に発想と主体性が求められているのだ。
●発想は、型からはじめよう。
発想は天から降りてくるものではない。 多くの人は発想をひらめきのようなものだと考えていることがある。だが、よくよく考えれば何もないところから突然に神がかり的に下りてくるわけではないことを認識することができる。普段から訓練していないと難しい。「自由に発想して下さい!」という言葉ほど日頃の経験がないと苦痛なものだ。発想するコツは、型を知ることからはじめることだ。
例えば、発想力を身につけるステップとしては、
①「ケーススタディを学ぶ」多くのケースに触れることでまずはアイデアに慣れる
②「注目されているキーワードを知る」 世の中には多くのキーワードがある。キーワードからヒントを探す
③「キーワードをもとに考える」 キーワードを既存の製品やサービスなどと組み合わせる
④「新たな組み合わせで価値を構想する」 意外な組み合わせが発想につながる
組合せは型から考える。
例えば
・既存技術×既存技術(iphone)
・既存製品×生産方法(ファーストフード)
・既存店舗×既存技術(コンビニ銀行)
・その他
発想は型を知ることでイマージネーションが活性化される。これかの印刷後継者・経営幹部ゼミナールのカリキュラムも経営課題に向き合い、発想し、アウトプットして自社の課題解決策に向き合うプログラムの重要度が増していく。
( CS部 古谷 芸文)