健康寿命とは、日常的な介護、医療を必要とすることなく自身の生命を維持し、自立した生活ができる生存期間のことである。すなわち健康で日常生活を送りことができる時間だ。最新のデータでは、男性72.14歳、女性74.79歳である(平成28年、厚生労働省)。
平均寿命と健康寿命の間には、男女ともに10年前後の差(不健康期間)がある。この期間は介護を要したり、寝たきり状態で暮らすことになる。誰でも最後の最後まで健康で元気な「ピンピンコロリ」の人生を送りたいと思っている、がそうではない現実がある。
健康に良いのは読書
日本人の65歳以上41万人という膨大な数の生活習慣や行動のデータを徹底的に調査、学習した結果がある(NHK開発人口知能「AIひろし」)。そこから見えてきた、健康寿命と平均寿命の差を短くするキーワードはなんと「本(雑誌)を読む」だった。なぜ「読書」をすると元気に生きられるのか?「読書」と「健康寿命」には意外な関係があるのだ。
調査では、健康寿命の伸ばすヒントを探すための生活習慣を分析。質問項目は600以上、10年以上にわたり追跡した巨大なデータだ(基データJAGES「日本老年学的評価研究機構」調査)。質問項目ごとに密接な関係があるか18万通り調べ判断したものである。
全体の健康要素の中で、他の健康要素と最も多くつながっていたのが「本(雑誌)を読む」ことだ。本や雑誌を読む人は他の多くの健康要素にとつながっていたという。しかも、不健康要素とのつながりが見当たらない、という驚きの結果であった。
山梨県は健康で長生き
山梨県の健康寿命は、全国トップクラスと優秀だ(厚生労働省2016年)。ところがスポーツの実施率では、なんと全国最下位である(参考:2010-2016笹川スポーツ財団)。ではなぜ健康寿命が長いのだろうか? それは人口に対する図書館の数が全国1位なのだ(社会教育調査統計表、日本の統計2017)。「本を読んだから健康になるわけがない。食物と運動が大事」という一方、図書館へ頻繁にバスで来る人、手すりなしで階段を昇る人などAIが示した健康要素のつながりと一致する人が多いという。
ちなみに、米エール大学は50歳以上の約3635人を「本を読む人」と「本を読まない人」のグループに分け12年間追跡調査した。その結果、「本を読む人」の方が約2年も寿命は長かったという「読書は長寿命」の結論に至った。しかも、性別や学歴、収入、健康状態には関係なく、本を読むことが長寿につながっていたというのは驚きだ。「心が動くと体が動く」というのは本当らしい。
(西部支社長 大沢 昭博)
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