印刷業定点調査 各地の声(2014年9月度)

掲載日:2015年1月7日

売上高伸び率は+1.8%と3カ月連続のプラスだが、消費増税幅を上回ることができない状況だ続いている。見た目の名目上はプラスだが、増税の影響を加味した実質はマイナスで推移しているとみてよい。

地域別には、特に増税後に低迷していた東京が2012年以来の高い伸びとなった。持続的なのか、一過性なのかは、今後の動向判断を待つ必要があるが、想像を超えて長引いた増税の影響が薄れてきた可能性がある。

名古屋圏は6月以降、消費増税幅を上回る伸び率が4カ月間続き、国内で最も安定した印刷市場となっている。大阪は6月以降、一度もプラス圏に浮かび上がることなく低調に推移している。ただ、個別に話を聞くと「それほど悪くないのでは」という声もあって一律に悪いわけでもない。

業種・業代別には、商業印刷は消費増税以降の6カ月連続マイナスだが、下値を切り上げて少しずつ回復している。地方に多い業態の総合印刷は3カ月連続のプラスとなった。紙器・事務・その他は3カ月連続マイナスだが、2カ月連続でマイナス幅を縮小した。

【印刷会社経営者の声】

・茨城:商業
売り上げ増・規模拡大の前にレベルを上げることができれば結果として前に進めると思っています。

・東京:総合
印刷の利益は厳しいですが、新しく立ち上げた事業はうまく軌道に乗り、引き合いも増えてきました。印刷事業の比率がだいぶ下がってきています。従来どおりのやり方では厳しくなる一方でしょう。とにかく、中小企業ならではのスピードを生かしてどんどん決めていくこと!

・長野:総合
企業経営するに当って利益を出し続けることは当たり前です。当たり前を大切に!!仕事は自分の仕事として目標に向かって達成すること。会社は利益を上げ社員と地域に貢献する。当たり前のことができるように努めることが大切だ。

・岐阜:その他
地方の小都市で地元志向が強い当社は、特化する業務に幅を持たせることが必須である。印刷を核とした地域のよろず屋でありたい。

・岐阜:総合
日本製紙の石巻工場を訪れました。被災直後の7月と合わせ4回目の訪問となりますが、「紙」にかける熱い想いが伝わってきます。普段何気なく使っていますが、そのような方々(会社)のお蔭で我々の商売も成り立っていることを改めて実感しました。

・和歌山:商業
事務所、工場のコピー機を8年振りに3台買い換えました。償却は多少増えますが、カウント料金が大幅に削減されます。経費最少といえども木を見るだけでなく森を見る投資も必要だと思います。