page2019「デジタル×紙×マーケティング」の集大成

掲載日:2019年1月24日

今期のJAGATは、期首から「デジタル×紙×マーケティング」のロゴを作って、各自の名刺にもこのロゴを付けて、1年間頑張ってきた。その努力が実を結びつつある。

page2019は今までの努力の集大成として、一つの結論をまとめたいと思っている。

正直な話、印刷業界でマーケティングと言っても全く受け入れられなかった。これはJAGAT内でも常識だったのだが、常々、私をはじめとしてJAGATのスタッフは、印刷、特に商業印刷はマーケティングツールのくせに「なんたることだ!」ということで、フュージョンの花井さん、グーフの岡本さん、コンサルタントの本間さん、等々の協力を仰いで「デジタル×紙×マーケティング」を訴求してきた。

現在はしっかりした手応えを得ており、今回のpage2019では非常に興味深い、示唆に富んだ基調講演、カンファレンスをお届けできると確信している。初日の2019年2月6日(木)はまさしく「デジタル×紙×マーケティング」Dayだ。午前中の基調講演1で各業界のマーケッターを集めて、デジタルマーケティングの中で、紙メディアがどのような威力を発揮できるか?!を突き詰めたいと思っている。

午後1はグラフィックセッションで、バリアブル印刷を実現する技術とはどんなことが必要なのか?具体的にしたいと思っている。午後2のグラフィックセッションは、印刷会社自らがマーケティングを実践してビジネスをしている会社を集めて、近未来の印刷会社について考えていただきたいと思っている。

【基1】実践!デジタル×紙×マーケティング

モデレーターにマーケティングを実践してきた本間氏を迎え、中古車ビジネスの大手IDOM(ガリバーといった方が分かると思う?!)が、紙をどのように使ってB2Cビジネスに活かしているかを、まずは取り上げる。ガリバーくらいの規模だと顧客が中古車を売りに来て、査定して、店頭に展示して、売れるまで在庫するというビジネスではなく、中古車を売りに来たときには買いたいと思っている顧客が存在しており、売り買いが同時に進行しているのだ。これもデジタルの恩恵なのだが、ネットでチマチマやるのではなく、紙でダイレクトに顧客と接して、実績を上げているのがIDOM(旧社名ガリバー)なのである。これは目から鱗なので乞うご期待だ。

HDEはクラウドセキュリティでは実績のある企業だが、これから紙を使ってB2Bにアプローチしようとしているのだ。正直、B2BはB2Cに比べて難しさもあるのは事実だ。マーケティングの王道理論ではファネル(漏斗のこと)と言って多くのリードから厳選していき、本当の顧客を突き止めて商売していくのが常道なのだが、ここが目指そうとしているのはファネル(漏斗)をひっくり返して、いきなり本当の顧客(てっぺんを目指す)にアプローチして、その顧客とだけコンタクトして効率をアップしようとしているのだ。これもデジタルならではなのだが、従来のように北米の事例を勉強して、日本に持ち込んでジャパナイズするのではなく、日本でも北米や欧州と同時進行して、最先端のトラブルや仕組みが現実に実践されていくのがデジタル社会なのである。

「紙を、てっぺんを目指すためにどう活かしていくのか?」コレも興味津々である。そこにグーフの岡本氏や本間氏が加わって、マーケッターにとっての「デジタル×紙×マーケティング」を徹底的に掘り下げたいと思う。少し難しくなる場合には、私(郡司)が総合司会としてちょっかいを出す予定であるので、どなたにも必ずやビジネスのヒントになるはずだ。

【G1】「デジタル×紙×マーケティング」を支える技術!~バリアブル印刷の実際

デジタルマーケティングと紙がマッチングするためのバリアブル印刷のキーポイントを具体的に解説しようとするセッションである。正直な話、バリアブル印刷を実現するのは容易ではない。RIP一つ取ったって大変なのである。

例えば「グーフがフロント部分のどのような技術を受け持っているのか?」実際様々なノウハウを持っているから、これだけ様々な事例に関わってきたのである。“Web to PRINT”のレゾロジックも現在のバリアブル印刷を支えている会社である。ここは非常にユニークで、世界に誇れるレベルの技術で勝負されている。

また、FFGSシンプルプロダクツ事業部は、旧シンプルプロダクツ時代より長年にわたってデータプリントのバリアブルを自動組版でサポートしてきた会社である。日本で有名なバリアブル事例はこの三社が関係しているケースが多い。バリアブル印刷は印刷会社にとって、必須知識である。

【G2】「デジタル×紙×マーケティング」を実践する印刷会社

岐阜の大洞印刷は大変ユニークにビジネス展開されている会社だ。いわゆる揉み手営業は置かず、SFAを駆使してマーケティング活動で仕事を獲得しているのだ。

大伸社グループもそうで、全社挙げてマーケティングサポートから印刷ビジネスに結びつけている。今回登壇していただく大伸社コミュニケーションデザインは特にマーケティングを前面に押し出している会社である。ペルソナ設定からマーケティングサポートまで、印刷業が受注産業に特化しなかったら、こんな会社に発展しただろうという会社である。マーケティング素養があるからVR等のコンテンツも光って、総合的にコンテンツ&サービスを売る会社になっているのだ。

最後はDNPなのだが、印刷物から大量という文字が消えたとき、中小よりも大企業の方が影響は大きい。DNPも必死なのだ。マーケティング面の強化を図って、ビジネスの根幹を変えようとしているのだ。もちろんMAの代理店やサポート、つまりマーケティングサポート自体もDNPのビジネスのキッカケになると言うことだ。もしかしたら、大企業より中小の方がやりやすいかもしれない。従って必ずや参考になると思う。

こんな一日「デジタル×紙×マーケティング」漬けになるのも有意義なのではないか?とオススメしたい。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)