印刷業定点調査 各地の声(2014年10月度)

掲載日:2015年2月12日

売上高伸び率は△0.1%と4カ月ぶりのマイナスに転じた。3カ月連続でプラスだったが、消費増税が売上高を名目上3%程度押し上げていることを割り引いてみる必要がある。

したがって、プラスからマイナスに転じたというより、実質的にはこれまでのマイナス基調がやや加速したといった方がより適切である。

地域別に見ると、円安で恩恵を受ける輸出産業の多い名古屋圏は消費増税分を上回る高い伸びを維持している。一方、首都圏と大阪圏は顕著に減速、増税後の反動減が長期化している。

受注件数は△1.8%と6月以降最大の落ち込み幅と、景気の早期持ち直し期待は遠のいたが、解散総選挙で印刷会社も急に慌ただしさを増した。

7-9月期のGDPが年率1.6%と発表され、景気の先行き不透明感が強まったが、株価は1万6000円台と高い(12月1日時点)。「不景気の株高」の様相を呈している。

【印刷会社経営者の声】

・茨城:商業

消費増税が延期になったのは良いと思いますが、少子化対策、地方活性化・地域創生をしっかり政策としてやっていただきたいものです。

・東京:商業

受注1案件ごとの売り上げ単価が下がってきた。

・長野:総合

仕事には勝ち負けがある。常に負けない仕事をすることが仕事だと思う。例えば野球の勝負についても、負けて泣けば終わりで、それまでです。勝って泣けば希望が持て、前進ができ、次なる勝負に続いていく…。希望を持つ企業を育てよう。

・岐阜:その他

地元自治体のイベントで当社の工場を一般市民に開放、印刷の4原色やオフセット印刷技術などについて、さまざまな資料や実演を通して説明した。一人でも多くの人々が印刷に関して興味を持ってくれたら幸いだ。

・岐阜:総合

さまざまな会で異業種の交流が盛んに行われていますが、名刺交換するたびに「印刷業界は大変だね…」と同情を買うことが多い。ほかの業界から見ても紙にこだわっているイメージが、この業界にはある。情報を伝える手段を相談されるパートナーになる必要性を強く感じています。

・愛知:商業

突然の解散総選挙で年末受注が減ってしまう。まったく中小企業のことを考えていないように思われる首相に、この選挙はどのような結果をもたらすのか。

・和歌山:商業

今年初めから取り組んできた「見える化システム」の来年からの導入準備が、いよいよ佳境を迎えています。2014年の「攻め」の事業展開に続き、2015年は「守り」のシステムを強化して、利益確保に努めたいと思っています。