「伝える」企画書ではなく、「伝わる」企画書が求められている

掲載日:2019年3月1日

図や絵を使ってイメージ化することで、記憶に残るインパクトのある表現が可能になる。さらに、わかりやすい視点・伝わる表現を意識することで、企画書やプレゼン資料は説得力が高まる。

イメージ化が記憶を助ける

ビジネスに必要な3つの言語として、IT(コンピューターの言語)、簿記(お金の言語)、英語(グローバルな共通語)が挙げられる。IT用語や数字が苦手とか、時間がなくてという人でも、「マンガでわかる」入門書なら始められそうな気がする。

マンガが苦手意識を和らげるだけでなく、疑問点を図解で解き明かしたり、記憶を定着させたりする効果もある。その一方で、マンガを使ったダジャレに過ぎないものや絵柄の好き嫌いによっては、学習意欲を削ぐ場合もあるだろう。

メモリースポーツ(記憶力競技)には、トランプを使った種目がある。シャッフルした1組のカードの順番を記憶して、別の1組を記憶したとおりに並び替えるものだ。52枚ものカードを記憶するには、①イメージ化して場所と結びつけて覚える。あるいは②情報を感情と結びつけて覚えるのだという。

つまり、数字などの抽象的な事象をそのまま覚えることは難しいので、特徴的なイメージにしたり、エピソード化して感情と結びつけたりすることになる。

そういう意味では、学習マンガが記憶を助けることは間違いないだろう。

インフォグラフィックスなら情報が「伝わる」

情報をうまく届ける方法として、インフォグラフィックスの考え方がある。インフォメーションとグラフィックスを合わせた造語で、言葉だけでは伝えることが難しい情報を、図や絵で説明することで簡単に理解してもらえる。

海外のニュースメディアでは、統計データをグラフ化するだけでなく、識別しやすいアイコンや、ストーリー性のあるイメージが大胆に組み合わされていて目を引くことが多い。日本でも「図解ニュース解説」や「図解ニュース用語」などが、とっつきにくいニュースをわかりやすくしている。

インフォグラフィックスはビジネスにも役立つ手法だ。わかりやすい視点・伝わる表現は、企画書やプレゼン資料の説得力を高める。PowerPointを利用して簡単に企画書やプレゼン資料を作ることはできても、独りよがりの視点でせっかくのチャンスを無駄にしてはもったいない。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

関連セミナー
「インフォグラフィックスを活用した企画書制作」

チューブグラフィックス 木村博之氏を講師に迎え、インフォグラフィックスを顧客へのプレゼンに役立てるためのワークショップを開催します。

2019年3月8日(金)13:00~18:00

目からウロコ!プレゼンの常識・非常識(大阪開催講座)
2019年6月3日(月)13:00~17:00

関連記事

●インフォグラフィックス・ワークショップ 開催レポート

2018年6月22日に木村博之氏を講師に迎えて開催した、座学、個人ワーク、グループワークを組み合わせたワークショップのレポートです。

●図で語れる人になろう―インフォグラフィックスのすすめ