「平成30年工業統計速報」が2月28日に公表された。4人以上の印刷産業出荷額は1.7%減となった。(数字で読み解く印刷産業2019その2)
速報値では出荷額は1.7%減
2018年6月1日現在で実施された「平成30年工業統計速報」が2月28日に公表されました。調査期日が年末から6月に変更されて2回目の調査結果で、前回は「平成28年経済センサス-活動調査」との比較でしたが、速報値では出荷額が前年比5.6%減(確報値では4.7%減)と大幅な減少を記録しました。今回は工業統計同士の比較で、大きなブレがないことが期待されます。
従業者4人以上の事業所に関して、製造業の2017年の製造品出荷額等は317兆2473億円(前年比5.0%増)、印刷産業は5兆202億円(同1.7%減)となりました。
2018年6月1日現在の製造業の事業所数は18万7000事業所(前年比2.3%減)、従業者数は763万5444人(同0.8%増)、印刷産業は1万184事業所(同3.8%減)、従業者数は25万5523人(同1.8%減)となりました。
上の表でアンダーラインが引かれている調査年は「経済センサス-活動調査」による数値で、工業統計と単純には比較できないことに留意する必要があります。
印刷産業の出荷額・事業所は東京が1位
産業別構成比の上位3産業を見ると、 製造品出荷額等は輸送用機械器具製造業、食料品製造業、化学工業の順、事業所数は金属製品製造業、食料品製造業、生産用機械器具製造業の順、従業者数は食料品製造業、輸送用機械器具製造業、生産用機械器具製造業の順になっています。
印刷産業は、 製造品出荷額等は18位、事業所数では6位、従業者数は10位となっています。
都道府県別構成比を見ると、製造業全体では、 製造品出荷額等は愛知、神奈川、大阪の順、事業所数は大阪、愛知、埼玉の順になっています。
印刷産業では、 製造品出荷額等は東京、埼玉、大阪、愛知の順 、事業所数は東京、大阪、埼玉、愛知の順で、印刷産業が東京の地場産業であることがよくわかります。
工業統計は、主要な調査項目を集計してとりまとめた産業別統計表(概要版)が2019年5月までに、その後、産業別統計表、品目別統計表、地域別統計表が順次公表される予定です。
『印刷白書2018』では印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。
(JAGAT CS部 吉村マチ子)