毎年この時期になると新入社員の初々しい姿をあちこちで見かける。誰にもそのような期待と不安が交錯した瞬間があったのか、と思う。入社3年で3人に1人は離職する環境のなか、良い会社とは、働きたい会社とは、どのような組織なのだろうか。
学生が選ぶ働きたい会社
基本的に良い会社とは、安定性があり、世の中に必要とされ、社員からも信頼されるという条件だ。一方就職希望者(学生)が企業を選ぶ際、「楽しく働きたい」、「個人の生活と仕事を両立させたい」という気持ちが上位にあるという。ポイントとして「自分のやりたい仕事ができる会社」、「安定している会社」が優先される。安心感とは、現在の環境だけではなく、将来までも視野に入れているという。反対に選ばない会社は、暗い雰囲気の会社、ノルマのきつそうな会社があげられている。
また、ある調査では「成長できる環境がある」が「安定性」や「知名度」を抑えてトップに躍進した。これは、生涯一企業という考え方ではなく、経験を積みスキルアップをして自己実現を図るという意思だ。企業の人気ランキングを見ると、順位を上げた企業はキャリアアップ優先のイメージがある外資系が目立つ。これらの理由として終身雇用に執着のないミレニアル世代(平成初期生まれの世代)の特徴ともいえるという。
新卒採用も重要なのか
社内の閉そく感を打破する効果があるものが「新卒採用」だ、とする考え方がある。しかしその反面、時間とコストをかけて新卒採用すること自体、割に合わないという意見も多い。苦労に苦労を重ね採用、教育した結果、利益をもたらす前に退社というケースも多々あるからだ。ある程度経験がある中途人材を採用した方が、お金も手間もかからない。しかし、多くの企業が必死にこの割に合わない手法を採用しているということは、それなりの理由、効果が見込めるからだろう。
新卒採用は健全な投資である。投資といっても不動産や株式への投資とは異なり、新卒採用は成果が得られやすい。新卒採用に熱心な企業は例外なく業績を伸ばす傾向にあるという。なぜ、新卒採用すると業績が向上するのか。それは組織に変化をもたらすからだ。とくに中小企業は連携とスピードが重要である。新卒社員は無の状態なので、自社の価値観や文化、仕事の手法を速やかに習得する。とくに経営者の方針を忠実に実行に移す人材を確保することは組織として価値が大きい。中途社員は即戦力になりやすい反面、自社の文化や仕事の手法に慣れるには時間を要するのだ。
ちなみに新卒社員の在籍数は業績に連動するという。とくに中小企業は、優秀な人材よりむしろ気の合う人が重要だという。
ティール組織になれるのか
そもそも従来ある組織のカタチに限界を感じている人が増えている。その理由として、個人を犠牲にして組織に合わせなければならないこと、変革スピードに組織形態がついていけないこと、物質的に豊かになり人間の価値観が変わったこと、があげられる。
そのような環境のなか「ティール組織」が注目されるようになった。ティール組織とは個人に意思決定権があり、組織の存在目的に合わせ進化を続ける集団である。たとえば、計画(予算)、結果、目標管理、評価制度、階層というなかで縛られている人間の閉そく感、疲弊は増加するばかりだ。組織維持に消費する(ムダな)エネルギーも計り知れない。
ティール組織のセルフマネジメント(自主経営)とは、上下関係や目標管理がなく、社員一人ひとりが自由に意思決定できる裁量を持つことだ。社員同士の信頼や情報の透明性が前提になる。組織の大小に関係なく、既存の良い部分を吸収しながら変化し続ける柔軟性を持つ。
(西部支社 大沢 昭博)
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