印刷業定点調査 各地の声(2019年1月度)

掲載日:2019年5月23日

1月の売上高は△1.3%。9月以降5カ月連続のマイナス。12月の△2.9%よりはマイナス幅を縮めたが、昨年相次いだ天災からの落ち込みから回復しきれずにいる。

地域別では、首都圏(△3.4%)が2カ月ぶりのマイナス、1カ月ごとの一進一退が続いている。名古屋圏(△+3.5%)は2カ月ぶりの回復。大阪圏(△1.7%)は5カ月連続のマイナス。昨年が訪日外国人旅行者の増加で高かった反動減もあるが、回復の遅れが懸念される。

業種・業態別では、商業印刷(△1.5%)が2カ月連続のマイナス。東京に多い出版印刷(+1.5%)は3カ月ぶりのプラス。地方に多い総合印刷(△2.0%)は9月以降、5%級の大きな落ち込みが続いていたがやや改善。紙器・事務・その他(+3.2%)は高い伸び。

規模別では、300人以上(△7.7%)が10%超の落ち込みとなった12月に続いて低調。大手顧客を持つと思われる中堅大手規模の苦戦が顕著なのは、米中貿易摩擦などによる国内大手メーカーの不振を反映しているように思われる。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

2年前、24年ぶりに交代した新・県知事の方針がとても良い方向に向かっています。リスクを取ってチャレンジしているのです。

東京:商業

用紙の大きな値上げにより、今後の印刷市場が不透明になりました。デジタルはデジタル、紙は紙の付加価値をきちんと伝えられるようにしていく必要を強く感じます。

長野:総合

経営計画に沿って結果を出す。成果を出すために営業力を強化する。価格競争が激しさを増す厳しい環境に対応した受注生産体制を考え、計画的に提案型の営業力ができるように体制を整え、経験と実績を重ねて受注確保を進めていきます。

岐阜:総合

今秋から景気が後退局面に入ると言われています。戦後最長の好況のようですが、実感を持てません。我が道を粛々と進んでいきます。

岐阜:その他

5-1=0は「1人でも抜けたら成り立たない」というアイドルグループ「嵐」を形容する数式である。当社は47人。47-1=0だろうか。抜けたら困る社員ばかりの会社でありたい。人手不足と言われる現代だからこそ、人材育成は重要だ。

(『JAGAT info』 2019年3月号,印刷経営ウォッチング,p66-67より抜粋して要約)