「平成30年工業統計表」産業別統計表(概要版)が5月31日に公表された。4人以上の印刷産業出荷額は0.6%減となった。(数字で読み解く印刷産業2019その4)
出荷額は0.6%減で前年並みの5.1兆円に
2018年6月1日現在で実施された「平成30年工業統計表」産業別統計表(概要版)が5月31日に公表されました。調査期日が年末から変更されて2回目の調査結果です。
従業者4人以上の事業所に関して、製造業の2017年の製造品出荷額等は319兆1667億円(前年比5.7%増)で速報値より0.7ポイント増、印刷産業は5兆764億円(同0.6%減)で、前年並みとなりました。
2018年6月1日現在の製造業の事業所数は18万8249事業所(前年比1.6%減)、従業者数は769万7321人(同1.7%増)、印刷産業は1万245事業所(同3.2%減)、従業者数は25万8298人(同0.7%減)で、こちらも速報値より改善されました。
上の表でアンダーラインが引かれている調査年は「経済センサス-活動調査」による数値で、4人以上の事業所数は経済センサスの年には増加して、その反動で次の年の工業統計では大幅減となっています。この傾向は製造業全体でも同じような結果で、24産業分類のすべてで減少となりました。
出荷額は2015年の経済センサスでは製造業全体では前年比2.6%増で5産業が減少となっただけですが、2016年の工業統計確報値では同3.5%減となり、17産業が減少となっていて、経済センサスと工業統計とを単純に比較することはできないようです。
工業統計調査の結果は、速報→概要版→確報の順で公表されます。今回の産業別統計表(概要版)は、産業別、都道府県別に主要項目を集計したもので、8月末に公表予定の「産業別統計表」「地域別統計表」の数値が確定値になります。
『印刷白書2018』では印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。また、限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。
(JAGAT CS部 吉村マチ子)