2015年産業連関表、国内生産額は初めて1000兆円超え

掲載日:2019年7月2日

「平成27年(2015年)産業連関表」が6月27日に公表されました。産業連関表は1年間に行われた全産業の取引を一つの表にまとめたもので、数値をそのまま読み取ることで、その年の産業構造などを把握できます。(数字で読み解く印刷産業2019その5)

印刷産業の国内生産額は約5兆円

産業連関表(全国表)は、1955年を対象にしたもの以降、5年ごとに作成されてきました。ただし、前回の「平成23年(2011年)産業連関表」は、重要な基礎資料となる「経済センサス-活動調査」が2011年を対象に実施されたことを受け、例外として2011年を対象年とし、2015年6月16日に公表されました。今回は、2015年を対象に活動調査が実施されたことから、産業連関表も2015年表が作成されました。

2015年の国内生産額は約1018兆円で、産業連関表の作成開始以降、初めて1000兆円を超えました。前回の2011年に比べて8.3%増で、輸入も22.9%増で、これらを合わせた総供給は9.5%増となりました。一方、総需要の内訳をみると、国内需要が8.7%増、輸出も19.7%増となりました。

同じ項目を印刷産業について見ると、2015年の国内生産額は約4兆9724億円で、2011年に比べて2.8%減、輸入は16.9%増で、これらを合わせた総供給は2.5%減となりました。一方、総需要の内訳をみると、国内需要が2.4%減、輸出も16.0%減となりました。

産業連関表は、最もサイズの小さい統合大分類(37部門)でも、最大9桁の数字のセルが37×37並ぶ大きな表です。そして、印刷産業はそのほんの一部、具体的な数字で言えば、国内生産額の0.5%にすぎません。そのため、統合中分類(107部門)以上のサイズにならないとその数字は把握できません。

JAGAT刊『印刷白書』では産業連関表を使って、印刷産業とその取引先産業の動きを見ています。ただし、統合中分類では印刷産業とほとんど関連のない部門が多いことから、印刷産業は独立した部門とした55部門表を独自に作成しています。

現在『印刷白書2019』(10月23日発刊予定)の執筆準備を進めていますが、限られた誌面で伝えきれないことや、読者からの問い合わせなどに対しては、「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)