経営者が語るビジネス領域の広げ方

掲載日:2015年2月16日

page2015の基調講演「インバウンドビジネスと印刷会社の課題」は、多くの聴講者を集めた。今は、「インバウンド」という言葉が注目されるが、いずれは言葉として注目されるようなものでなく、インバウンドビジネスはごく当たり前になっていくだろうということが指摘された。講演では印刷会社がこれまで培ってきたノウハウや地域との関係を生かしてさまざまなことを仕掛かけることで、ビジネスへつなげる可能性を感じた。

JAGAT info2月号では、基調講演で講演いただいた石田大成社代表取締役社長阿部乙彦氏に、同社のインバウンドビジネスへの考え方や取り組みについてお話を伺った。また、京都という日本の伝統文化を色濃く残す町で活版印刷業として創業しながらも、時代の変化に柔軟に対応してビジネスフィールドを広げてきたポイントを語ってもらった。

山口証券印刷の常務取締役インセンクス事業部部長山口誉夫氏には、乗車券の印刷を主力商品とした同社が、技術変化で乗車券の形態・機能が変化・高度化していく中で、危機感を覚え、いかにビジネス分野を広げていくかについて語っていただいた。同社は新たなビジネスに取り組むためにインセンクス事業部を立ち上げて、従来のピラミッド型組織体制から、同事業部ではフラットな組織体制にしてコミュニケーションをしやすくして、意思決定のスピード化を図った。そこには多くの中小印刷会社が抱える課題に対して、いかに取り組むべきかのヒントが隠されているのではないかと感じた。

また、JAGAT info2月号では特別企画として「印刷白書」の読み方を掲載した。印刷白書は印刷産業のさまざまな課題や状況を取り上げて、それに対してのレポートや提言を行っているほか、多くの関連資料を掲載している。印刷白書を自社のビジネスに活用するために、どのような視点を持って読んだらよいかについて紹介する。
経営者インタビューは服部プロセス代表取締役の服部晴明氏に、同社の経営理念である「お客様第一主義の精神」の神髄を語っていただいた。
(JAGAT info編集担当 小野寺仁志)

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