印刷技術を核とする34社をリストアップ

掲載日:2019年7月30日

現在編集中の『印刷白書2019』の上場企業分析では、社名もしくは特色に「印刷」とある34社を対象としている。売上高構成比を見ると、出版印刷、商業印刷を主力とする企業は少数派となっている。(数字で読み解く印刷産業2019その6)

印刷産業2.6万社のうち上場企業は34社

印刷白書では2011年版から上場印刷企業の分析を行い、事業展開の特色と売上高構成比、個別業績による規模・収益性・生産性・安全性・成長性、連結業績による設備投資総額・研究開発費、キャッシュフローバランスなどを比較してきました。また、「印刷産業の経営比率と損益構成」のデータとして個別業績を利用しています。

2019年版に掲載する上場印刷企業は34社で、そのうち東証1部上場企業は、1949年5月上場の凸版印刷、大日本印刷、図書印刷の3社から2016年3月上場の中本パックスまで14社です。

東証2部上場企業は、1961年10月上場のアサガミから2005年10月上場のウイルコホールディングスまでの8社で、竹田印刷は名証2部にも上場していて、また福島印刷が名証2部に上場しています。

マザーズにはラクスルが2018年5月に上場し、JASDAQスタンダードには、1988年8月上場の光ビジネスフォームから2018年10月上場のプリントネットまでの10社が上場しています。

全産業の上場企業数を見ると、2019年7月29日現在の東証一部上場企業数は2151社で、東証二部やマザーズ、 JASDAQ 銘柄 など、他の上場銘柄なども合わせると3676社となります。全産業の企業数は385万6457企業(「平成28年経済センサス-活動調査」)なので、上場企業の割合は0.095%に過ぎません。一方、印刷産業は2万6065企業(活動調査)に対して、上場企業は34社なので0.13%となります。

印刷通販2社が加わった上場印刷企業リストで分析

印刷白書の上場印刷企業は、2011年版に30社でスタートしましたが、2015年7月のクレステック、2016年3月の中本パックスの上場や、2017年5月の三浦印刷の上場廃止などによって変化しています。

また、2005年創業のプリントネットと2009年創業のラクスルという印刷通販2社が上場印刷企業のリストに加わったことも大きな変化といえます。

印刷白書の関連資料「印刷産業の経営比率と損益構成」では、財務諸表(個別業績)から収益性、生産性、安全性等に関する財務指標を作成しています。今回は、個別業績に印刷事業が含まれない3社(アサガミ、日本創発グループ、ウイルコホールディングス)を除く31社の個別業績を利用する予定です。

『印刷白書2019』は、10月23日開催の「JAGAT大会2019」で発表予定です。

限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)