印刷業定点調査 各地の声(2019年5月度)

掲載日:2019年9月26日

5月の売上高は△1.7%、2カ月ぶりのマイナス。4月は10連休前の駆け込み需要が売上高を押し上げたため、5月はその反動減があった。4月と5月を合わせると通算0.4%増であり、差し引きで見れば表面的な売上高は決して悪くはない。価格の上昇傾向も売上高を押し上げる方向に働いている。

地域別では、首都圏(△2.6%)と大阪圏(△4.2%)がマイナスに転じた。名古屋圏(△1.5%)は、4月の駆け込み需要も5月の反動減もなだらかで需要が平準化され、他地域と比べれば独特である。

業種・業態別では、商業印刷(△2.8%)と地方に多い総合印刷(△2.6%)が2カ月ぶり、東京に多い出版印刷(△2.4%)は5カ月ぶりのマイナス。逆に紙器・事務・その他(+0.3%)は3カ月ぶりのプラスだった。

規模別では、30人未満(△3.0%)と100~299人(△3.3%)が2カ月ぶりのマイナス。30~49人(△1.6%)は4カ月連続のマイナス。50~99人(+0.1%)は4カ月連続のプラスと規模別で唯一の好調が続く。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

地域経済が縮小していくので、付加価値の高い仕事で営業しなければ。

長野:総合

デジタル化の進展に伴って印刷ビジネスモデルが変わろうとしています。従来の受注製造業から地域のソリューションプロバイダーに進化するための変革を活発化させるつもりです。顧客から選ばれる企業であり続けるために。そして新しい販路開拓に努めて目標を達成します。

東京:商業

求人広告を出しても、欲しい年代層からの応募が久しくありません。もうそろそろ、求人広告による採用は諦めた方が良いのか…。採用のあり方、我が社の魅力の問題とは分かっているのですが。生産は外注できても営業は外注できません。新たな営業のあり方を考える時期ですね。

岐阜:その他

お寺の掲示板に「転んだときが起きるとき」と書いてあった。今期も厳しい決算になりそうだが、この言葉を糧に来期の準備を進めたい。

和歌山:商業

10連休前の繁忙によって、4月の売上高は約15%プラス。5月はその反動減で約10%マイナスだった。4月と5月をワンセットで見ると、差し引きは1%のプラス。この微増を多いと思うのか、少ないと思い鞭を叩くのかで後半戦が変わっていくように思う。

(『JAGAT info』 2019年7月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)