印刷業定点調査 各地の声(2019年6月度)

掲載日:2019年10月21日

6月の売上高は△0.6%、2カ月連続のマイナス。売上高はほぼ前年同水準の微減程度だが、受注件数が2カ月連続6%以上の大きな落ち込みになり、先行きへの懸念がやや深まる。

地域別では、首都圏(△5.7%)と大阪圏(△4.2%)が2カ月連続マイナスの一方、名古屋圏(+3.5%)は4カ月ぶりのプラスに転じた。甲信越静(+5.0%)だけが好調を維持している。

業種・業態別では、商業印刷(△3.8%)が2カ月連続のマイナス。東京に多い出版印刷(△0.8%)は2カ月連続のマイナスだが、商業印刷より落ち込み幅は小さい。地方に多い総合印刷(+7.9%)は2カ月ぶりのプラス。紙器・事務・その他(+3.5%)は2カ月連続のプラスと復調。

規模別では30人未満(△8.3%)が2カ月連続のマイナス、100~299人(△1.4%)、300人以上(△8.0%)も弱含み。逆に、30~49人(+3.4%)と50~99人(+1.9%)はともにプラスで、30~99人クラスだけが堅調、それを挟む小規模と大規模が不振といった構図になっている。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

お客様の動画の案件が増えています。5G時代の社内体制を見直します。

長野:出版

世の中の印刷物の量が増えることは考えられないので、他業種と組んで何かできないか異業種交流を行っています。

岐阜:総合

6月は特需の注文があり、大幅な増収増益となった。うれしいことではあるが、あくまで特需である。一喜一憂せず淡々と計画を進めていきたい。

和歌山:商業

6年連続赤字決算だったカタログ通販最大手のニッセンが、今第1四半期決算において、前年同期比で利益が2倍の黒字転換になったという記事を見た。理由は部数削減とページ数の1/10削減に加え、一方で扱い商品をLL以上、背が高い・低い人向けなどのニッチ戦略を採ったことなどにあるという。われわれの生き残りのヒントもここにあるように思う。

岡山:商業

大風、スコール等、紙を扱う業種としては管理が大変です。大災害が来ないことを祈るのみです。

(『JAGAT info』 2019年8月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)