印刷業定点調査 各地の声(2019年8月度)

掲載日:2019年12月23日

8月の売上高は+0.4%、18年7-8月以来の2カ月連続プラス。昨年は豪雨などの影響で大きく落ち込んだ反動増があり、西日本主導で売上高が伸びた。一方で首都圏が4カ月連続のマイナスになるなど東日本が振るわない。

地域別では、首都圏(△3.5%)が大きく落ち込んだ。名古屋圏(△1.4%)は3カ月ぶりの減少。大阪圏(+1.3%)は2カ月連続で増加するなど、地域間の差が大きくなっている。どちらかといえば東京は良くなく、相対的に地方の方が良い。

業種・業態別では、商業印刷(+0.6%)が2カ月連続のプラス。逆に、東京に多い出版印刷(△0.5%)は2カ月ぶりのマイナス。地方に多い総合印刷(+3.5%)は3カ月連続のプラスと好調。これまで好調だった紙器・事務・その他(△5.6%)は大きく落ち込み4カ月ぶりのマイナスとなった。

規模別では30人未満(△8.4%)が4カ月連続のマイナス、30~49人(+5.2%)が2カ月ぶりのプラス。好調だった50~99人(△2.2%)は7カ月ぶりのマイナスと急ブレーキ。100~299人(+3.1%)は高い伸びで2カ月連続のプラス、300人以上(△5.2%)は2カ月ぶりのマイナス。規模の大小と業績の間に相関は見られず、企業ごとに状況が異なった。

【印刷会社経営者の声】

茨城:商業

消費増税に伴う駆け込み需要はあまりなかったが、直前になって少し動き始めた顧客もいた。顧客も本当に実施されるのかギリギリまで見極めていたためと思われる。ただし、8%の時よりは動きは鈍い。

新潟:総合

売上高については、累計で見れば昨年対比微増で推移していますが余裕はなく、予断を許さない状況です。夏は良くなく、9月になってようやく再び動き始めました。利益も良くはなりそうですが、薄氷です。

岐阜:総合

世間ではAI(人工知能)の活用セミナーが盛んだ。そして今、小難しい哲学が話題なのだという。AIやバイオサイエンス、資本主義の未来を考えた時、解決しなければならない哲学的話題が山積しています。判断が難しい時代だからこそ、哲学を学んでみようと思っています。

岐阜:その他

日経新聞の「交遊抄」が面白い。立派な経営者には立派な友人・知人がいるものだと感心します。「交遊抄」ならずとも、紹介されるような人間になりたいものです。

和歌山:商業

消費増税に伴って生まれる軽減税率への対応伝票を商品化した。ドッカーンというヒットは狙っていないが、品質や価格を認めてもらい、リピートが来る商品に育てていきたい。

(『JAGAT info』 2019年10月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)