活発な意見交換ができる営業会議をするには

掲載日:2020年1月14日

営業会議では数字の確認が主なテーマとなり、発言が上司の一方通行に終始することが多い。営業メンバーと意見交換できる会議にするにはどうしたらいいかで悩んでいる管理職の方いませんか。

 

印刷会社の営業会議で、議題に必ず挙がるのが売上の確認であろう。ノルマの進捗状況や、達成するための施策を建設的に議論する必要がある。しかし、多くの場合、数字の確認及び報告のみに終始してしまい、メンバーからの活発な意見が出にくいのが現状だ。営業部門を率いる管理職には、活発な意見交換ができる会議のファシリテーションが求められる。

 

●改革が求められる営業会議
印刷物を受注するだけではなく、同時にマーケティングやBPO的に業務全体を印刷物とセットで、川上のデザインから、発送までワンストップで受注するなど、印刷会社のビジネス領域も広くなっている。それに伴い印刷営業に求められることも多く、ビジネス開発、企画提案ができる営業チームを作る必要がある。そのためには、旧来型の営業ノルマの進捗報告会議だけではなく、メンバーが積極的に発言し、新しい発想や施策が生まれやすい雰囲気の営業会議が求められているのだ。
しかし、実際の会議では部課長から一方通行のコミュニケーションに終始し、メンバーからの発言が少なく、意見を求めても発言力の強いメンバーだけになることが多いなど、建設的な議論ができず、営業メンバーが現場で聞いている情報も上手く吸い上げられていないとうい現状がある。

 

●営業の心理的不安の払拭が大切
会議メンバーからの発言を活性化するには、心理的不安の払拭が必要になる。発言しやすい空気感を管理職がつくることが重要である。会議の進行は、管理職が聞きたいことを聞くのではなく、営業メンバーに対して受容的・共感的な態度で傾聴することで自発性を促す。否定から入るのではなく発言したことやその内容について肯定できる点は褒めることで空気感は変わる。
例えば、「○○食品株式会社の新規メニュー制作をサポートしたい」という提案があったとする。ここでは、「なぜそう思うようになったのか、どういうきっかけがあったのか」という事実を聴き、そして「そもそもその会社の新規メニュー制作」についてどういう活動をイメージしているかという解釈を聴くことだ。そこから、本当ならどうしたらいいと思うか、改革を進めるにあたっての問題点は何かなどの意見を管理職の解釈で聴くのではなく、営業メンバーの立場に立って聴くことが大事だ。
さらに他のメンバーが自らの体験事例を挙げて、うまくいったケースや失敗したケースを参考意見として述べることにより、提案書もより充実した内容になる。管理職もただ聴いているだけでなく、更に良くするために必要なアドバイスをすることで、双方の理解を深め建設的な判断に到達できる。そうした状況を構築できれば信頼関係も築きやすくなり心理的安全性が担保されれば会議で発言しやすくなる。こうしたコミュニケーションができれば、個人営業から組織営業へとなりより強い営業体制の構築が期待できる。

JAGATでは2020年2月に開催されるpage2020で「部下のやる気を引き出す営業会議の進め方」と題してセミナーを開催する。社内の雰囲気を盛り上げるのはまず営業部門からという視点から、営業のモチベーションをあげて新規開拓、新規分野へ挑戦することへの意識をもってもらうにはどうしたらいいかなどの課題について解説する。経営者や部課長の方々にお勧めしたい。

(CS部 伊藤禎昭)

 

【page2020セミナー「経営・営業」】

【S8】「部下のやる気を引き出す営業会議の進め方~活発な意見交換で印刷営業のチーム力を高める~」
【S9】「アイディアを形にする紙加工の製品開発」
【S10】「事例で学ぶ印刷会社の働き方改革~業績と社員の満足度を上げる~」
【S16】「印刷会社ならではの採用ブランディング」