色評価用LED知識は印刷技術者とメーカー技術者の必須常識

掲載日:2020年1月22日

色関係のセミナーを毎年page展では行っているが、今回は印刷学会とタイアップして、実践的且つ必須情報の決定版セミナーとして開催する。

色評価用LEDガイダンスを印刷学会中心に策定しているが、そのいきさつから学習することで「色そのものの知識・感覚」「色に関するトラブル対策」「色評価の科学的根拠」等々を理解できる。

光源はとても重要で、撮影や色をチェックするときに、まともな光源を使わないととんでもない結果になってしまう。逆も言えることがあり、昔だったら赤みの刺身や生魚をおいししそうに見せるために蛍光灯は厳禁で、魚屋さんの店先でもタングステン球が使われていたと思う。ところがデジカメになって、自由自在にキャリブレーション出来るようになると、かえって蛍光灯の方が「俗に言うおいしそうな画像」を撮影できるようになってしまったのだ。人物撮影も同様で、健康的な肌が「蛍光灯で良い案配に撮れたり」する。

写真撮影用の理想的な光源というと日本が世界に誇る「セリック株式会社の製品」がまず挙げられる。いわゆる人工太陽灯で、太陽の光の性質に限りなく近い理想的な光源だ。母子手帳に掲載されている胆道閉鎖症チェックのための便色カードは、この人工太陽灯を使って分光撮影して、将来医学や工学が進歩したときにも対応できることを考えて、分光データ(色を三原色のバランスで表現するのではなく、スペクトルとして扱うので、条件等色等のトラブルにも対処しやすい)として解析している。

これは特殊といえば特殊領域だが、Photoshopだって次期バージョンは分光対応を準備しているということである。印刷業界にだって無縁ではないのだ。

さて、色は難しく、印刷業界は各業界から色に熟知していると認識されているので、色に対してしっかり向き合わなければいけないのだ。

色評価用LEDについてだが、日亜化学製のLEDを使用したものも出そろって、三色タイプのものも含めて、ガイダンスラインを策定中(現在進行形というより最終段階)である。その実践テストということで、今週から評価テストを行うことになっている。

その策定中の問題点から、実際のLED製品、特徴、注意事項まで含めて解説しようというのが、page2020セミナー【S14】印刷学会共催「色評価用LEDガイドライン」とカラマネ・照明の基本 ~LEDガイドラインセミナー~である。

本セミナーは印刷学会との共催イベントになるのだが、色評価用のLED照明のセミナーということで、光源が印刷評価に実際どこまで影響するのか?を体験いただくセミナーでもある。色評価用の蛍光灯の場合は、使い捨てだったが、LEDの場合はかなり寿命が長いので、良いものを長く使うというスタンスで臨みたい。印刷現場の照明がまともだと、驚くほど作業効率が良い。そんな事もあらためて体験いただきたい。

本セミナーのカリキュラムは

1.現時点の印刷業界で問題になっているカラマネ解説

解決策もクイックでレクチャー(笹沼氏より)

2.LED照明のガイドラインと製品の状況について解説

実際の製品についても触れるが、

大事なポイントや使用ノウハウについてもレクチャー

(DNP杉山博士より)

3.今回のLED照明についての評価ポイントを

実験参加者でディスカッション(DIC宍倉氏、エコー庄司氏、他で)

4.質疑応答

時間のある限り皆さんの疑問点にお答えしたい。

そんな盛りだくさんのメニューだが、かなりのメンツを集めているので、色に従事している技術者は必聴である。是非聴講いただきたい。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)

page2020セミナー

【S14】印刷学会共催「色評価用LEDガイドライン」とカラマネ・照明の基本 ~LEDガイドラインセミナー~