浜野製作所は墨田区の製造業が9800社から1600社に減少するなか、取引先を4社から4500社に増やした。地域連携や産学官連携など、新たな顧客と仕事を生むために、工場を舞台に新たな繋がりを構築する事例が増えている。連携で需要を創る成功事例から考える。
経営資源に限りのある中小企業は、なんらかの連携からイノベーションを起こして需要を創造するしか道はない。印刷会社サンコーは手法を同社から学んで成長した。望月印刷は墨田区の「スミファ」、台東区の「モノマチ」を通して新たな連携を作り続ける。人口減少に悩んでいた富山県南砺市はアニメとの連携で観光客を増やした。世界的に知られる瀬戸内国際芸術祭は、広域連携で100万人超を動員する。以下3セッションでは、連携から新たな価値を企業と地域にもたらす思考法と連携法を解説、議論する。
【基調講演3】事業創造のオープンイノベーション
~『大廃業時代の町工場生き残り戦略』から~
2月7日(金) 10:00~12:00
板金を祖業とする浜野製作所は社屋の全焼によって社員2人になってから復活。潜水艇「江戸っ子1号」などの開発を通して地元下請け企業ネットワークによる産学官連携を構築し、墨田区の地域一体型オープンファクトリー「スミファ」の立ち上げと運営も主導しました。
もはや社内の経営資源だけで他と差別化できる新規事業を創出することは難しく、社外リソースの活用や社内外連携によるアイデアの創発が求められる時代となっています。
一度は壊滅しかけた東京下町のものづくりはなぜ復活しつつあるのか。新たな価値を生む組織のあり方、社内外ネットワークの構築手法、サービス開発体制、工場見学の手法、そして地域社会との接点など、墨田区・台東区のものづくり3社が事例発表を通して議論します。
浜野慶一(浜野製作所)
関信行(望月印刷)
有薗悦克(サンコー)
藤井建人(JAGAT)
詳細:https://page.jagat.or.jp/session/detail_9.html
【PM3】地域資源をストーリー化する「聖地創生」
~コンテンツツーリズムによるまちづくりの理論と事例~
2月7日(金) 13:00~15:00
アニメでたびたび話題になる聖地巡礼は、映画やドラマ、文学の舞台になった場所を訪ねて追体験を楽しむタイプの旅を言います。旅行先となった地域への経済効果は大きいですが、地域が物語の舞台やロケ地になるかどうかは偶然に頼っています。そこで地域の魅力を再発見、自ら聖地に仕立てる聖地創生の手法が提唱されています。聖地創生の事例と手法、富山県南砺市におけるアニメ活用のまちづくり事例などから、地域資源の再発見とストーリー化による地域活性化について議論します。
荻野健一 (デジタルハリウッド大学 大学院)
佐古田宗幸(地域発新力研究支援センター)
岡田健司(Ken’S/研文社)
藤井建人(JAGAT)
松永寛和(JAGAT )
詳細:https://page.jagat.or.jp/session/detail_20.html
【PM4】 瀬戸内国際芸術祭に見る地域活性化
~広域連携とアートによる地域活性化はいかに可能になったのか~
2月7日(金) 15:45~17:45
3年に一度、12の島を舞台に広域開催される瀬戸内国際芸術祭。開催地の島々は美しいですが、内陸部よりはるかに早く進む過疎と荒廃は深刻でした。2010年に始まった瀬戸内国際芸術祭は毎回100万人超を動員するまでになり、島はアートで彩られて再生、島と周辺地域は経済効果の恩恵を受け、島民は新たな生きがいを得ました。海外からの旅行者、さらには移住者を呼び込むまでになっています。政府は地方創生総合戦略の重点に関係人口の創出を置いています。その本質が地域活性化である瀬戸内国際芸術祭を事例に考えます。
吉川健司 (香川県 瀬戸内国際芸術祭推進課 )
森岡順子(日本観光振興協会)
紀之定正一(真生印刷)
米川充 (文伸)
藤井建人 (JAGAT)
詳細:https://page.jagat.or.jp/session/detail_21.html