印刷産業に特化した JAGAT通信教育では、印刷人に必要な知識の整理ができるようなコースをそろえ、新入社員教育にも力を発揮している。
通信教育「印刷業のための新入社員コース」開講中
新型コロナウイルスの影響で入社式を中止する企業も多く、入社後すぐの新入社員研修を集合型から在宅型に切り替えるケースも増えている。JAGATでは新入社員教育にも役立つ通信教育を用意している。
JAGAT通信教育は印刷産業に特化し、「実務に即した内容を体系的に学習できること」を訴求ポイントとしている。
全15コースの中で最も古いのは、1995年開講の「印刷業のための新入社員コース」で、この4月には26年目を迎える。この間にどれくらいの新入社員や内定者が添削課題に取り組んでくれたのか。2017年度は413人、2018年度は388人が受講した。平均点60点以上が修了基準だが、受講者の90%以上が基準を満たし、修了証を獲得している。毎年8月以降に申し込みが増え、内定者向け教育として2月ごろにピークを迎えるが、2019年度は365人の申し込みがあった。
通信教育では、最新の技術動向を追いかけるよりも、基本的な知識を整理することに重点がおかれるが、定期的な見直しも必要である。
「印刷業のための新入社員コース」は、Ⅰ 印刷産業のアウトライン(印刷の役割、印刷の歴史など)、Ⅱ 印刷物はどのように作られるか(印刷技術の基本)、Ⅲ 印刷会社と印刷の仕事(印刷会社の仕組みなど)というオーソドックスな構成で、開講当時からそれほど大きく変わっていない。
ただし2014年11月に大改訂を行い、コンプライアンスや情報管理などの項目を拡充し、印刷メディアとデジタルメディアを対比することで、印刷メディアの魅力と今後の可能性を再確認できるようにした。
新テキストに合わせて「印刷技術基本コース」を大幅改訂中
「印刷業のための新入社員コース」を修了したあとに受講されることが多いのが「印刷技術基本コース」で、新年度に入ってから申し込みが増加することが予想される。
こちらは5月開講(4月下旬申し込み)分からテキストが『みんなの印刷入門』に切り替わることから、現在添削課題の改訂を進めている。
JAGAT通信教育の強みはやはり印刷産業に特化していることで、15コースの平均修了率は80%を超えるまでになっている。
いろいろな立場の受講者がテキストを読んで、理解できるように配慮されているか。一方的な表現になっていないか、専門用語の使用は適切か、難しい言葉や曖昧な表現はないか。今後も基本コースの改訂を進めることで、印刷業界の活性化にも寄与していきたい。
(JAGAT CS部 吉村マチ子)