こんな時代だからこそ勉強しよう

掲載日:2020年4月24日

外出自粛が続く毎日。子どもたちに勉強しなさいと言う前に、大人もこの機会に本を読んだり、通信教育で勉強してみよう。

感染症やパンデミック関連書に関心が高まる

学校の臨時休業が決まった後は、学習ドリルや児童書などの売り上げが大幅に伸びたという。図書館や児童館などの施設も休館となり、自宅で過ごす子どもたちに勉強させたい、あるいは本を読む習慣をつけたいと、どこの親も考えたからだろう。書店の売り上げ拡大が期待されたが、緊急事態宣言が出てからは大手書店チェーンなどは休業せざるを得ない状況になっている。

在宅勤務が推奨され、通勤時間が大きく減少した今、読書の時間が増えた大人もいるはずだ。なかでも関心が高まっているのは、感染症やパンデミックを扱ったもので、アルベール・カミュ『ペスト』や小松左京『復活の日』、高嶋哲夫『首都感染』、石弘之『感染症の世界史』などが売れているという。

新型コロナウイルスに関するさまざまな情報が飛び交う中、俯瞰したところで現状を捉えなくてはという視点も生まれている。そうは言っても、一般市民にできることは限られているので、外出を控えて、家にいる時間を少しでも有意義にしようと勉強を始めた人も少なくないのではないか。

通信教育はいつの時代もあった

通信教育はこれまでもいろいろな場面で利用されてきた。例えば、『アンネの日記』に通信教育に関する記述があるのをご存知だろうか。食べ物や着る物にも不自由な隠れ家で、アンネと姉のマルゴーは速記やラテン語を通信教育で勉強しているのだ。そして、自分たちがいかに恵まれているかと述べている。

『あしたのジョー』の矢吹丈も通信教育を利用していた。丹下段平から送られてきたはがき「あしたのために(その1)」には、「ひじを左わきの下から はなさぬ心がまえで やや内角をねらい えぐりこむように打つべし」とある。はがきを破り捨てたものの、退屈に耐えかねて破片をつなげて、その言葉どおりに打ってみると、今までにない手応えを感じる。4ページにわたって打ち続けて、ジャブをマスターしたジョーは、通信教育によってボクシングを学び始めるのだ。

通信教育は対面学習が難しい場合の代替手段ではあるが、受講者のやる気によっては、マンツーマンの指導よりも成果を上げる場合もある。2020年度は予期せぬ形で始まったが、事態が収束する日に備えて、新入社員も中堅社員も知識や技能の習得に努めてほしい。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

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