印刷業定点調査 各地の声(2020年2月度)

掲載日:2020年5月25日

2月の売上高は△0.4%の微減。12月以降は増税の影響がようやく薄れて3カ月連続±0近傍で推移、ほぼ前年水準を維持している。

地域別には、首都圏が大きく落ち込む一方、名古屋圏は3カ月連続のプラス、大阪圏は2カ月ぶりのプラスと概ね首都圏以西は堅調だった。

業種・業態別では、商業印刷(△0.5%)が2カ月連続の減速で3カ月ぶりのマイナス転換。出版印刷(△5.5%)は4カ月連続のマイナスと低調さが続く。地方に多い総合印刷(+4.2%)と紙器・事務・その他(+0.9%)は2カ月連続のプラス。増税による在庫調整の影響が薄れている。

規模別では、30人未満(+5.8%)と100~299人(+2.2%)、300人以上(+3.7%)と、規模の小さい、あるいは大きい企業が好調だった。逆に30~49人(△3.1%)と50~99人(△5.5%)はマイナスに転じた。

【印刷会社経営者の声】

■ 東京:出版

出版の総点数、1点当たりの冊数とも減少が目立ちます。再版回数が減少した影響も出ています。

岐阜:総合

連日の新型コロナウイルス関連ニュースで社会全体が停滞しているようだ。業績にも影響してくるのは必至。改めて全産業が何らかの形でつながり合っていることを実感。1日でも早く“収束”ではなく“終息”してほしい。

愛知:出版

新型コロナウイルスの影響で広告が激減しています。

大阪:商業

新型コロナウイルスの影響が現れ始めました。

和歌山:商業

2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災は、関西地方の中小印刷業にはあまり影響を与えなかった。しかし今回の新型コロナ渦は、長期にわたって日本全国全てのヒト・モノ・コトに関わることから、かなりの影響を受けることになりそうだ。タイミングを逸することなく迅速に対応していきたい。

(『JAGAT info』 2020年4月号,印刷経営ウォッチング,p60-61より抜粋して要約)