デザインには必ず理由と目的がある

掲載日:2020年6月10日

デザインをする時に何も考えずに進めると、顧客に正しいメッセージを伝えられないことがよくある。ポイントをしっかりおさえて作業を進めることが重要だ。

 

考え方にはいろいろな切り口がある

デザインする時にまず考えることとは何だろう。すぐに良いアイデアが浮かぶ時もあるが、なかなか浮かばないことのほうが多い。印刷物制作ではどういうデザインにするか考えるべきことはたくさんある。一般的には印刷物の対象は何か、どんなことを訴えるかというコンセプト、そのデザインの統一性を保つための手法であるトーン&マナーといったことは少なくとも欠かせない事項だ。

一貫性を持たせて軸をぶらさないことが大切

まずは対象をはっきり決めないといけない。これが決まっていれば、進める方向性のイメージが湧きやすくなる。例えば20代の女性を対象としたパンフレットを制作する場合、フォントは細いもので色味は明るいオレンジなどカラフルな色がいいとか、高齢者の場合は、大きめの文字を使用して色味は統一感のある方がいい、といったことがある。
方向性が決まったらコンセプトをはっきりさせる必要がある。これは「全体を貫く基本的な骨格」のことであり、制作者がその商品・作品に込めた意図・目的などを表すものだ。印刷物の制作では、デザイナーはもちろん、コピーライター、制作担当、営業などチームが一体となって作業を進めていかないといけない。
トーン&マナーは、広告表現の一貫性を保つための表現のスタイルや方法などのルールのことである。これをしっかり決めておくと、顧客に早く覚えてもらえたり、競合と差別化を図ることができることもある。また、関係者間で認識を共有することができればイメージのブレがなく、作業上の無駄の削減にもなる。

対象を定めることによりイメージができ、コンセプトをもつことによりそのイメージがどうあるべきかが決まる。そして、トーン&マナーを決めることにより具体的なイメージを作り、こうしたポイントをおさえておけばイメージをさらに発展させる可能性もでてくる。
デザインで大切なことは一貫性を持たせて軸をぶらさず、説得力を持たせることだ。そのためにもデザインの基本をしっかりふまえてポイントとなる事項を考えることが重要だ。

JAGATでは若手向けのデザインセミナー「デザイン・レイアウトの基本のキ」を開催する。このセミナーではデザインの基礎を解説することにより、新しい発想を創出するヒントを学ぶことができる。セミナーの後半では参加者にラフスケッチを作成していただき、講義の内容を再度確認しより深い理解を得られる。若手のデザイナーはもちろん、営業や制作担当の方にとっても知っておいたほうがいい基本事項なので、この機会に是非ご活用いただきたい。

(CS部 伊藤禎昭)

「デザイン・レイアウトの基本のキ」
2020年6月22日(月)  14:00~17:00
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
   166-8539 東京都杉並区和田1-29-11

「DTPデザイナー基本講座」【大阪開催】
2020年6月19日(金)・20日(土)
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 西部支社