3月の売上高は△7.2%の大幅減。12月以降は増税の影響が薄れて3カ月連続±0近傍で推移していたが、コロナショックの影響で大きく落ち込んだ。
地域別には、首都圏(△17.5%)が観測史上最大の落ち込みを記録、名古屋圏(△7.7%)、大阪圏(△6.5%)の大都市圏主導で大幅減少となった。
業種・業態別では、商業印刷(△7.8%)、出版印刷(△10.4%)、総合印刷(△7.1%)となり、一律的に落ち込んだ。紙器・事務・その他(+0.4%)は受注残による微増とみられ、もともと景気感応度の高い製品・サービスではない面もあるが、実質的な影響は免れていないとみるべきだろう。
規模別では、30人未満(△18.2%)、30~49人(△13.6%)、50~99人(△2.1%)、100~299人(△3.6%)、300人以上(+0.9%)と、規模が小さいほどコロナショックの影響が顕著に売上高に表れる傾向となっている。
【印刷会社経営者の声】
■神奈川:商業
新型コロナウイルス感染拡大により、イベント等関連受注が減少。各メーカーの減産による材料価格の高騰も心配される。ウイルス感染防止策として社内外来者のマスク着用義務、時差出勤拡大導入を行っている。
■ 長野:出版
在宅勤務、時差出勤、交代制etc。今取り組んでいることで新しい可能性を見つけ、忘れずに今後の運営に生かしていきたい。
■ 岐阜:その他
コロナ問題に対する政府の施策に対する批判がSNS等で花盛りだ。そんなことで盛り上がっている場合か…と思う。このような時だからこそ「ワンチーム」ではないのか。そういえば、昨年の流行語大賞のこの言葉、最近あまり聞かないなぁ…。
■ 愛知:出版
中部地方のメーカーは、一部工場の生産中止も出ていますが、稼働しているのが救いです。弊社は5月、6月、7月にかなりの打撃を受けそうです。
■ 山口:事務
コロナ感染症の拡大で経済が急速にストップしつつあるなか、業界も仕事量が激減している。最後はお役所頼みで、役所の入札に新規参入業者が来たり、落札価格がこれまでよりさらに下落したりしているようです。
(『JAGAT info』 2020年5月号,印刷経営ウォッチング,p64-65より抜粋して要約)