研究会でオンラインセミナーと会場受講を同時開催

掲載日:2020年7月13日

7月9日、研究会セミナー「ビジネス×マンガの最新動向 ~コロナ時代に活きる対面不要の広告、採用、教育戦略~」が開催された。オンラインと会場受講を同時開催する初めての形式であり、コロナ禍で新しい研究会の形を提案した。

オンラインセミナーの配信風景

ビジネスシーンに浸透しつつあるマンガコンテンツ

新型コロナウイルスの影響により、対面でのビジネス活用は大きく見直さざるを得くなっている。新しい環境下で今までとは違うビジネスモデルを検討する企業が増えた。そんな中、コンテンツを活用したプル型の営業手法で活用され、非接触のフリーマガジンなどをリッチコンテンツに変えるマンガのビジネス活用は一つの有効な手段であり、研究会は盛会となった。

まず初めに、株式会社講談社ライツ・メディアビジネス局の前田亮氏が登壇し、キャラクターマーケティングが注目されている背景や、具体的な事例について解説した。マンガのタイアップ広告は大手企業同士で行われることが多かったが、講談社では、キャラクターを活用した広告を専門に扱う部署が立ち上がり状況が変わってきている。結果として、必ずしも大きくない企業や施設が講談社のコンテンツとタイアップし、大きな成果を上げる事例が生まれている。実際のタイアップ時の具体的な流れも解説され、キャラクターマーケティングがより身近に感じられた。

次に、マンガを活用したマーケティングに早くから取り組んでいる株式会社シンフィールドから、代表取締役の谷口晋也氏が登壇した。シンフィールドでは、広告主とマンガ家の間を繋ぎ、効率的な活用をディレクションをする仕事をしている。セミナーでは、マンガの認知的な強みについて解説したあと、シンフィールドの持つメディアとして、就活生向けの自社メディア「就活応援マガジン JobManga」が紹介された。シンフィールドでは、マンガマーケティングの普及に協力してくれる印刷会社を探しているという。

最後にマンガ技術書を多数執筆している湊川あい氏より、教育分野でマンガを活用する効果について発表された。湊川氏は元々、Webデザイナーとして働いており、そこで学んだことをマンガにして紹介したところ、大きな反響があったという。マンガという表現を使い、自分が触れて感じた技術の楽しさを交えて紹介することで、小難しさや宣伝っぽさをあまり感じさせずに技術を伝えることができる。湊川氏は会社で使い易いマンガにするために、ジェンダーなどにも気を配っており、著作は実際に研修などでも使われている。

受講方法を選択する時代へ

オンラインセミナーと会場受講の比率は9:1であり、オンラインでの受講が多数派だった。コロナの影響下で、人が集まる場所へ出向くことにはまだ抵抗があることが伺える。

参加者の中には遠方からの申込も多かった。会場受講だけの開催であれば、受講には交通費が必須だったが、オンラインであればそういったコストなしに参加できる。都心部在住だったとしても、会社や自宅といった自分の好きな場所で受講し効率的に情報を入手できることはオンラインだからこそのメリットである。

一方で、名刺交換でのちょっとした立ち話などは公の場では語られにくい情報を手に入るチャンスである。顔を繋ぐことが新しいビジネスのきっかけになることもある。それぞれのメリットを考えて受講方法を選ぶ時代が来たと言えるだろう。

(JAGAT研究調査部 松永寛和)

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