環境の変化で価値を提供する手段は変る
様々な企業で経営環境の変化対応が加速度的に求められている。例えば、外食産業、大手牛丼チェーンの吉野家ホールディングス(HD)は、7月28日発表にて2021年2月末までに牛丼チェーン「吉野家」など最大で国内外の計150店を閉店することを明らかにした。不採算店を閉め、閉店は全体の約5%に当たるという。一方、朝日新聞デジタル(2020年6月23日)によれば、調査会社の富士経済によると、飲食店から料理を取り寄せる「外食デリバリー」の市場規模は右肩上がりで、2020年は3068億円と予測する。サービス手段による明暗がハッキリと現れた。これは、飲食という製品のニーズが無くなったものではなく、単純に3密を避けたいという消費者心理によるものだ。提供するサービズ(価値)と届ける手段(利便性)を整理して考えれば価値を提供するヒントが生まれるかもしれない。
オンラインセミナーの使い分け
当JAGATの集合型セミナーも今後益々開催が難しくなることが予測される。オンライン化は有力な選択肢のひとつだ。オンライン講座を企画する上でも肝心なことは、教育効果を考え、ニーズに合わせたシステムの選択やツールを使いこなすことだ。視点の一つに、子供の教育現場で、しばしば耳にすることがある。「インプットよりアウトプットで子どもは伸びる」という話だ。子どものやる気がポイントとなっている。心理学者エドワード・L・デシのモチベーション理論での「内発的動機づけ」にあたるものだ。重要なことは、怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機を与えることだ。言い方を変えればやりたくなるきっかけをつくることとも言える。セミナーの役割も、動機づけのために心を掴むことが肝心な要素だ。知識だけなら書籍や通信教育等だけでも十分だからだ。講師には、受講者に問いかけ、引き出し、腹落ちさせる能力が求められ、それがセミナーの魅力となっている。感情にも訴えかけることがセミナーの落とせない要素だ。
オンラインセミナーでは2種類の方法がある。ライブ配信とオンデマンド配信だ。講座内容に合わせて選択してある。
- ライブ配信
ライブ配信は、文字通り生放送だ。限りなく集合セミナーに近づけること。コンテンツとしては、ライブ感が重要。機能としては、双方向コミュニケーションが特徴。
- オンデマンドストリーミング配信
事前に動画収録を行い、ストリーミングよって配信する。コンテンツとしては、知的情報の質が重要。機能としては、受講者が時間や場所を自由に選択できる。
集合ゼミナーのオンライン化は加速している。当JAGATでもライブ配信とオンデマンドストリーミング配信を組み合わせて効果的に開催している。
助成金制度を上手く活用しよう!
新型コロナウイルス感染症の影響により、休業や在宅勤務が続く中、こうした機会を有効に活用し、従業員の方々が自宅でスキルアップする機会を提供することは、将来を担う企業の人材を育成する上で国や自治体では、多くの助成金制度を設けている。
例えば、東京都の「中小企業人材オンラインスキルアップ支援事業」では、中小企業が従業員に対して行うeラーニングの経費を助成するものだ。民間の教育機関等が提供する多様なeラーニングに対して、助成率5分の4を行う。(※1社あたり最大32万円まで)助成対象期間は令和2年12月31日までとなっていて手厚い。
(CS部 古谷芸文)
オンライン印刷経営幹部ゼミナール ~2020年10月開講! https://www.jagat.or.jp/archives/77384
オンライン印刷ビジネス開発実践講座 https://www.jagat.or.jp/archives/37407
JAGATのセミナー<オンライン化推進中>https://www.jagat.or.jp/cat3