フリーペーパーは地域メディアとして再評価されているが、地域外や業界外で知られる機会は少ない。印刷会社が地域社会のため主体的に発刊していることはもっと広く知られて良い。
第7回フリーペーパー調査を実施中、第6回は過去最多
JAGATでは第7回となるフリーペーパー調査を行っている。印刷会社によるコンテンツビジネスへの取り組み状況、そして地域における印刷会社の役割、集めたフリーペーパー・フリーマガジンを内外に発信するためだ。収集フリーペーパーは年々増え、昨年の第6回は過去最高の46紙誌が集まった。
大学など業界外でフリーペーパーに関して講義、そのアンケート結果を見ると、印刷会社のイメージは「印刷会社はコピーをするところ」「印刷機が回っているイメージ」といった旧態然なものが多い。「フリーペーパーを主体的に発刊している」「デザインもしている」などと紹介すると驚かれることが多い。
フリーペーパーは印刷会社の能力や役割を説明するのに向いている
前回2019年調査の結果は、早稲田大学の講義で学生に紹介(19年10月)、page2020会場に展示コーナーを設置(20年2月)、JAGAT印刷総合研究会で紹介と展示(20年9月予定)、回答社にはレポートを送付するなどして活用した。
フリーペーパー・フリーマガジンの発行は、営業・企画・生産・デザイン・コンテンツ創造などデジタルも含めた総合力を必要とする。フリーペーパー・フリーマガジンはこれらすべての集大成であり、特に印刷業界外に向けて現代印刷会社の事業領域の広がりや能力をわかりやすく訴求するのに向いている。
地域メディアとしてのフリーペーパー
フリーペーパー・フリーマガジンは有代誌のように全国的な出版流通網に乗ることがない。地域の情報と地域の広告によって誌面が構成され、地域の印刷会社によって生産され、地域の読者に配布されるという、まさに文字どおりの地域メディアである。
従ってフリーペーパー・フリーマガジンからは印刷会社と地域の結びつき、印刷会社の地域における社会的な役割が見えてくる。一方、たとえ良質なフリーペーパー・フリーマガジンであっても、配布エリアが地域限定であることから地域外で知られる機会は少ない面もあり、調査などで集積させる意味は大きい。
フリーペーパーへの期待と広がる役割
電通の調査「日本の広告費」によると、印刷メディアが全般に振るわないなか、フリーマガジンに投下される広告費の金額は、落ち込む紙媒体のなかでは堅調な部類に入る。地域活性・地方創世の必要性が高まるなか、地域に必要なメディアとして再認識されたことが背景にある。
フリーペーパーは、印刷会社が地域コンテンツを集めて発信する地域プラットフォームとして機能する面があるし、地域との接点づくりに機能する面もある。また、受注体質からクリエイティブな体質への転換を目指す際にも社内的な新規事業のインキュベーションになる面もある。こうした多義的な役割を持たせられれば、広告収入ですべてを賄えなくても長期的には企業を成長させるためのひとつのエンジンになりうる。このようなフリーペーパー・フリーマガジンを取り巻く趣旨をお汲み取りのうえ、調査にご協力いただければと願う。
page2020会場でのフリーペーパー特設展示(2019年調査)
■調査名
第7回JAGAT印刷会社フリーペーパー調査に関する媒体募集
■媒体募集期間
2020年 9月25 日(金)必着
■調査参加・媒体応募資格
・JAGAT会員企業であり印刷会社であること。
・印刷会社が発行主体となっている媒体であること。
■応募いただいたフリーペーパーの活用例
大学など講義・セミナーでの活用、展示会での特設コーナーでの陳列展示、弊会発行出版物への掲載等
■フィードバック・応募特典
・媒体提供社には集まった全フリーペーパーの個別情報と統計分析データをフィードバックします。
・JAGAT主催のフリーペーパーセミナー(参加費11,000円)に1社2名まで無料招待します。
■問合せ先
JAGAT研究調査部 フリーペーパー係
TEL:03 -3384 -3113
Email:
折り返し応募要項をお送りします。