6月の売上高は△21.3%。落ち込み幅は5月(△26.1%)より小さくなり、4月(△18.7%)には及ばないものの、5月でいったん底打ちして反転し始めた可能性がある。
地域別には、首都圏、名古屋圏、大阪圏といった3大都市圏が軒並み△20%超。4月水準には回復していないが、落ち込み幅は5月よりは縮小した。
業種・業態別では、商業印刷(△21.1%)と総合印刷は(△17.0%)は5月どころか4月をも上回り、いち早く回復の兆しを見せている。出版印刷(△24.5%)は5月よりは落ち込み幅を縮めたが、4月以前の水準にはまだ遠い。紙器・包装・事務印刷(△22.9%)は、5月(△14.9%)からさらに落ち込み幅を拡大した。
規模別では、従業員数が多くなるほど回復が早いかもしれない。30人未満(△34.0%)、30〜49人(△21.5%)、50〜99人(△17.7%)、100〜299人(△17.0%)。受注件数(△20.2%)は、5月(△33.8%)はもちろん4月(△23.4%)を上回る水準を回復した。
【印刷会社経営者の声】
■茨城:商業
当社は期末に入ります。来期に向けて、組織体制・役割分担の見直しなど、例年以上に難しい判断を迫られています。
■ 長野:総合
ブランド力とイノベーションを高めるうえで最も適している方法がデザイン力といえる。あらゆる産業で新しい技術や従来の常識が通用しない変革期を迎えようとしている今、生き残るためには顧客に必要とされる存在に生まれ変わらなければならない。“デザイン”経営を考える。
■ 岐阜:その他
コロナ禍で長く止めていたことを再び始めようとすると、想像以上に労力を要する。であるならば、違うことにチャレンジしてみる方が面白いと思う。仕事が減って生まれた時間をその取り組みに充てていこう。
■ 京都:商業
厳しい状況が続く中、当社では営業、経営、工場が一丸となって収支改善、固定費削減に取り組んでいます。今やらねばならないこと、今だからできることに、引き続き全社で取り組んでいきます。
■ 山口:事務
全国に新型コロナウイルス感染第2波襲来ですが、地方での感染増加が著しく、感染会社の風評被害がより激しくなっています。田舎ほど経営を直撃するので感染者を出せません。
(『JAGAT info』 2020年8月号,印刷経営ウォッチング,p56-57より抜粋して要約)