新入社員はそれぞれの職場に配属されて半年経った今、専門知識を十分理解できていなかったり、仕事に対する不安を抱えていることもある。これを克服できれば、また新たなステップが見えてくる。
今年は新型コロナウイルスの影響で入社時期が遅れ、新人研修も例年とは違って十分な時間をとれないまま各部署に配属を決めた企業も多い。入社して半年が経過したこの時期に、もう一度基本事項を復習できる機会があれば、新入社員にとっては、さらに理解を深めるとともに今後の仕事の進め方を見直すこともできる。
〇なぜフォローアップ研修が重要なのか
企業がフォローアップ研修を導入する理由として、まず教育効果の高さがあげられる。新入社員にとって、入社直後の研修では業界用語や仕事の実態がわからないため、単に聞くだけになりがちだ。その点、フォローアップ研修では、新入社員はある程度の実務経験を積んでおり、自らの体験と照らし合わせて学ぶことができ、曖昧な部分を再度受講することにより明確な理解が可能となる。
また、現場に配属されて実務に就いて半年も経つと、不安や心配が表面化して自信がぐらつき、その結果モチベーションが低下することもある。フォローアップ研修では知識や技術を再確認することによって、新入社員の仕事に対する疑問点や迷いを解消させる効果も期待できる。同期入社の社員同士で現状の課題を共有することで、モチベーションを向上させ、自信を回復させる機会にもなる。
〇“理解しにくい”ことを重点的に解説
JAGATでは新人・若手社員向けにフォローアップ研修を毎年開催している。今回は「印刷技術の基礎知識を学ぶ(プリプレス編)」、「印刷技術の基礎知識を学ぶ(プレス・ポストプレス編)」、「印刷見積り基礎講座」、「印刷営業の基本プロセスと実務知識」の4講座を予定している。新型コロナウイルス禍の現状を踏まえ、地方の方も安心して受講できるようすべてオンラインでの講義となる。
毎年、春に開催している新入社員研修でのアンケートの中で、印刷技術についての回答で多いのは「フォントについて理解するのが難しい」、「色管理の方法が複雑」、「色空間やガモットの理解が難しい」などである。他にもいろいろな意見があるが、今まで聞いたことのない専門用語を理解できずに苦しんでいた人が多いようだ。今回の研修では印刷製作の全体の流れを一通り解説する中で、若手社員が「少し難しい」と感じたことに重点を置いて解説する。
「印刷営業の基本プロセスと実務」では日常業務の基本的な考え方を解説することにより、実際の営業業務と照らし合わせて、今後の新たな営業展開を考えてもらう。営業活動するうえで考え方の「基本」となるものがあれば対策もたてやすいだろう。
「印刷見積り」については、製造工程を念頭において見積の基本的な体系を学べる。なぜこのように見積もったのかという営業自身の考え方をしっかりもち、顧客に説明できる知識をもてるようになることが大切だ。
新人・若手社員にとってフォローアップ研修は「心のリセットと頭のリマインド」といえる。それまで指示され・教えてもらう姿勢から、自らが考えて行動する自律性をもった企業人育成のための貴重な学習機会だ。貴社、若手社員の教育の一環として是非ご活用いただきたい。
(CS部 伊藤禎昭)
【オンラインセミナー】中途入社・若手社員フォローアップ研修関連講座
●10/20(火)13:00~17:00
「印刷技術の基礎知識を学ぶ(プリプレス編)」
●10/27(火)13:00~17:00
「印刷技術の基礎知識を学ぶ(プレス・ポストプレス編)」
●11/10(火)13:00~17:00
「印刷見積り基礎講座【講義】」
●11/17(火)13:00~17:00
「印刷営業の基本プロセスと実務知識」