部署内で社員が良好な関係を築くことは、チームの業績を上げるだけでなく、企業の成長にも大きく関係してくる。メンバー同士でお互いを高め合い、 ビジネスの変化に合わせて成長し続けられるチームを築くことが必要であり、チームをまとめるスキルがリーダーには求められる。
チームワークの重要性
個人の力では、対応できる範囲や労働時間に限界があるが、チームで連携して業務を遂行することにより、メンバーそれぞれのスキルを活かした相乗効果が期待でき、生産性向上につながる。チームワーク力を発揮できれば、困難な状況でも、皆が意見を出し合い協力して対応でき、問題解決へとつながるだろう。
しかし、チームがうまく機能して実力を発揮できるか否かは、チームを取りまとめるリーダーの力によるところが大きい。
リーダーに求められるスキル
1. 目標設定
チームの目標設定を立て、方向性を統一し、一人ひとりの役割を明確化することにより、各自が求められる能力を発揮しやすくなる。目標と優先事項を共有するためにチームに対する信頼感を伝えることが重要であり、メンバー同士が長所を引き出し、短所を補えるようリーダーがうまく調整することが必要である。
2. 時間管理と任せるスキル
「自分でやった方が早い」「思うように部下が動かない」「頼み方がわからない」と、つい手を動かしてしまい、部下に任せた方がいい仕事までもリーダーが行ってしまいがちである。リーダーが部下の能力を把握し、伸ばしてやりたいところを明確にしたうえで仕事を任せることがポイントである。ただ、任せっきりにするのではなく、意図がきちんと伝わっているか、イメージが共有できているかを確認し、適度な声掛けを行い、進捗状況を確かめ、サポートしていくことが大切である。仮に方向性にずれが生じた場合も早めに軌道修正し、うまくコントロールする。
また、改善すべき点などをチームで解決することにより、チーム力も高まっていく。
3. コミュニケーション能力
安定したチームワークを持続させるためには、一人ひとりとコミュニケーションをとり、チーム内で協力し合える環境を構築していくことが必要である。仕事に対する姿勢などの理解を深め、部下に対し、共感力を養い、寄り添う態度で話を聞く姿勢を身につけることにより、お互いを認め、尊重しあえる関係が築ける。普段から意見交換がしやすい雰囲気を意識的につくり、チームワークの向上を心掛けることが大切である。
また、コミュニケーションをとることで部下の心理的状況を知り、モチベーションを把握することができる。自身が持つ知識やスキルに対する周囲からの評価を得られることで、役に立ちたいという気持ちや更なる成長意欲を高め、チーム全体のモチベーションにつながっていく。
SHRM(米国人材マネジメント協会)が最近行った調査では、労働者の84%が、マネージャーが不必要なストレスの原因になっているとし、「上司に身につけてほしいスキル」のトップに挙げられたのが「効果的なコミュニケーション能力」であった。
こうしたスキルは、チームが成果を出していくため、メンバーの意識の持ちようや良好な関係性など築くために必須であり、その有無によってリーダーの力が試されるのではないだろうか。
JAGAT CS部 加治 寛子
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