Withコロナ時代に適したリアルとデジタルのイベントのあり方について考える。
新型コロナウイルスの影響は、オンラインによるコミュニケーション手段を一般化し、今や当たり前の価値観として根付いた。
オンラインの特長は、時間や距離を選ばないことである。移動時間や交通費のコスト抑制は勿論、今まで会えなかった取引先や、行けなかったイベントへの参加機会が増える等メリットも大きい。一方、リアルはオンラインに比べるとコミュニケーションがとりやすく、リアリティもあるためUX(ユーザーエクスペリエンス)が高い。コロナ禍において、オンラインコミュニケーションが主軸になるのは間違いないが、リアルはNG、オンラインOKのゼロイチの考えではなく、それぞれの良さを生かしながら使い分けていくことが望ましい。
■リアルとオンラインの特性を生かしたプログラム
JAGATは5月から人材育成セミナーの開催方法として、従来の会場型、オンラインライブ配信の2形式をとっている。その形式は、セミナー内容や進行方法に応じて適切な形式を選んでいる。例えば、座学中心のセミナーは、オンラインライブ配信を中心に考える。聴講するだけではオンラインでも十分であり、むしろ全国どこからでも移動せずに参加できる利便性の方が高いため、印刷会社の皆さまからもニーズが高い。しかし、実際に手を動かして体験するようなハンズオン型の研修は、どうしても物理的に体感できないのでオンライン研修には向いていない。また、演習やワークショップを中心に、グループ討議が必要とされるものに関しても、コミュニケーションの円滑性の観点から会場型の方が向いている。コロナだからオンライン一辺倒ではなく、研修プログラムの目的や用途に応じて、デジタルとリアルの開催形式を分けている。
●JAGAT人材育成セミナー一覧 https://www.jagat.or.jp/cat3
■視聴利便性の高いオンデマンド配信
10月からは、「トピック技術セミナーオンライン(10/15閉幕)」「JAGAT地域大会オンライン(10/30開幕)」「JAGAT大会オンライン(12月予定)」と3つのイベントをオンラインで開催する。これらは講演型のイベントであり、昨年まではリアルで開催していた。お陰様で参加者が100人を超えるものも多く会場は満杯状態であったが、流石にソーシャルディスタンスの観点で会場での開催は厳しく、オンライン開催に踏み切った。
これらのイベントはオンデマンド配信を採用している。録画した動画コンテンツをある一定期間配信することで、視聴者はいつでも見たい時に(期間内であれば)見られるので、利便性は高くなる。1時間以内のショート動画セミナーコンテンツのラインナップが多いイベントには向いている。
「トピック技術セミナーオンライン」は、10月2日~15日の2週間、合計10社のメーカーにご協力いただき、各社の技術や新製品などに関する解説動画を合計11本、およびJAGATによる総括動画を1本オンデマンド配信した。結果、ユニークユーザー数800名を超え、総再生数60,000回と、多くの方に情報を届けることができた。これはオンデマンド配信ならではの大きなメリットであり、リアルでは東京開催が多かったJAGATのイベントを全国へ訴求できる機会になった。
JAGATは、リアル・デジタルそれぞれの良さを生かして、皆さまの役に立つイベントを開催し、今まで以上に多くの方に情報を届けていきたいと考えている。その集大成として、次回で34回目を迎える印刷・メディアの展示会「page」をハイブリッド型での開催を予定する。従来の体感できるリアル展示会は2月3日~5日の3日間池袋サンシャインシティで開催。その翌週の2月8日~28日は新たな試みとして、page2021オンラインを開催する。出展社情報や各種セミナーコンテンツを通して、全国の印刷会社の方へ有益な情報を届けていきたいと思う。Withコロナ時代に適したイベントのあり方を考えながら、リアル、デジタルそれぞれの良さを生かした企画にしていきたい。
JAGAT 塚本直樹
●page2021リアル出展者募集
https://www.jagat.or.jp/cat8_2021
●page2021オンライン出展者募集
https://www.jagat.or.jp/page2021online